はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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静物画のなかの時間

パリには大きな美術館がたくさんある。すべて観て回るのはムリだが、ルーブル美術館、ピカソ美術館、現代写真を展示したジュ・ド・ポーム、そしてオランジュリー美術館へと足を運んだ。
そのなかで何故かは判らぬが、心魅かれた一枚の絵があった。
オランジュリーに展示してあったアンドレ・ドランの『台所のテーブル』だ。
絵のことも芸術も、よくは知らないわたしだが、観て、ただ魅かれる、そういうものを大切にしたいと観て歩いたなかで、意味などなく本当にただ強く魅かれた絵がそれだった。いちばん魅かれた絵が静物画だということに自分への疑問を感じもしたが、いや、静物画なのに表情が深い、というところに惹きつけられたのかも知れないと思い当たった。

そして日本語のガイドを聴いて、なるほどとうなずいた。
ドランは、静物画を描くなかで「時間とは何か」という問いを、絶えず繰り返していたという。それは更に「生命とは何か」「死とは何か」という問いかけへと発展し、それらの問いを深く深く見つめ、静物を描いていたのだそうだ。

絵を観てガイドを聴き、その絵から読み取れないストーリーを楽しむのもいいが、ドランのその解説は、何故、自分が『台所のテーブル』に魅かれたのか、すとんと腑に落ちるようなものだった。ガイドを耳から外し、ふたたび目を凝らし、絵のなかのテーブルにのせられた時間に思いを馳せた。

アンドレ・ドラン『台所のテーブル』落ち着いた色合いにも魅かれます。

ルノワール『雪』の解説では「風景のなかに白という色はない。
雪には空の青が映りこんでいるはずだ」と後輩に教えたとありました。

ウトレロ『ベルリオーズの家』モンマルトルの風景だそうです。
ルーブルもオランジュリーもピカソ美術館も、撮影OKでした。
絵画保護のためにストロボ禁止ですが、解放感を感じました。

観たかった『睡蓮』の展示がないことにショックを受け、
オランジュリー美術館の前で、しぇーをする夫です(笑)

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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