はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々

ニョクマムとナンプラー

先週、汐留の『ベトナムフロッグ』で、ベトナム料理を食べた。
パクチーをザルで出してくれるのがうれしく、酒も進む。
そこで、テーブルに置いてあった調味料に目をとめた。「ニョクマム」とある。試しに生春巻きにつけてみると、ナンプラーのような味。ナンプラーのことかなと思いつつメニューを眺めていたら、山芋とアボカドのナンプラー炒めというのがある。同じ店で使い分けているのだから、違うものなのだろうと調べてみると、ニョクマムはベトナムの魚醬で、ナンプラーはタイの魚醬だそうだ。ニョクマムの方が魚の匂いが強く、ナンプラーの方が塩味強めらしいが、食べて違いが判るのは通。それほどの違いはないのだとか。
そこまで調べて、膝を打った。
「そうだったのか! 優しい味だと思ったら、あれはニョクマムだったんだ」

ベトナムで食べた料理には、よくナンプラーがついてきた。と思っていたのだが、あれはニョクマムだったのだと、今頃になり気づいた。塩味薄めで、食べやすいなと思っていたのだ。
初めて食べる外国の料理が口に合うとうれしいし、その国に少しだけ近づいたような気持ちになる。しかし、何度か食べていくうちに知ることもまた多いのだろう。日本にいて知るベトナムもある。これからもこうして、少しずつベトナムに近づいていくのかも知れない。

ニョクマムという字を撮ったはずなのに、何故かかくれんぼ。
蒸し鶏と香草のサラダ。入っていた香草はパクチーの他、ミントも。

ゴーヤと卵の炒め物には、パクチーをたっぷり入れて。

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ベトナム珈琲の苦さを味わって

郷に入らば郷に従え。しかし、なかなか従えないこともある。
珈琲大好きなわたしだが、ベトナム珈琲は苦手なのだ。
朝食ビュッフェでは飲みきれずに、ごめんなさいと残して席を立った。焙煎方法やその後の香りづけなどで独特の風味をだすというベトナム珈琲は、濃く苦い。だからこそ、練乳や砂糖を入れて飲むのがスタンダードなのだが、甘いものはベトナム珈琲よりも苦手ときている。
「ブラックで、ベトナム珈琲が美味しく飲めたら、かっこいいのになあ」
憧れる分だけ、ままならぬ思いは強くなる。だが、考えていてもアイディアは浮かばない。当たって砕けろの精神で、珈琲屋のドアを開けた。すると、珈琲豆の香ばしい匂い。店頭には、焙煎前の豆が袋に入って売っている。
ちゃんとした珈琲屋で、アイスで飲めば、ブラックでも美味しく飲めるのではないか。期待に胸を膨らませ、オーダーした。
陶器に入ったそのアイス珈琲は、一口飲んで「おっ、違う」と思った。今までに飲んだどのベトナム珈琲よりもすっきりしている。これならと、少しずつ氷を溶かしながら、ゆっくりと味わった。飲み終わったときには達成感を覚えた。この珈琲なら飲める、と。だがそこには「とても美味しく」という形容はつかない。口のなかには、あきらめに似た苦さもまた広がっていったのだ。

その後も、ベトナム珈琲への苦手意識は変わることなく、軟弱にも、アメリカンなどを注文する自分にため息をついたりした、という結末だ。
いつかまたホーチミンを訪ねることがあったら、あの珈琲屋でもう一度、ベトナム珈琲のアイスをブラックで飲んでみよう。今よりもう少し、ベトナムの珈琲に近づけるかも知れない。
*3泊3日ベトナム旅日記は、今日でおしまいです*

この雰囲気、いい感じ。コップには、冷茶が入っています。
アイスでも泡が立っています。ベトナム珈琲の特徴の一つです。

カウンターの下には、こんなディスプレイがありました。

入ったお店は、本格ベトナムコーヒーの製造販売会社が経営する
珈琲店『Trung Nguyen Coffee(チュングエンコーヒー)』でした。

変わってこちらは、ベトナム式ではない珈琲が普通に飲めるお店
『The Coffee Bean & Tea Leaf』珈琲豆と紅茶の葉という英語の店名。

壁には、お洒落な時計が飾ってありました。
「 ANYTIME IS COFFEE TIME 」

ファーストフード的プラスチックのカップでしたが、暑いなか
歩いた後に飲むアメリカンなアイス珈琲はやっぱり美味しかった。

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ポーチミン日本語事情

ホーチミンのメインストリート、ドンコイ通りには様々な店が並ぶ。
オーダーメイドでワンピースやブラウスなどが作れる服飾雑貨の店。民族刺繍の雑貨が並ぶ店。陶器やカラフルな漆器を並べた店。民族衣装アオザイの店。マッサージやエステ、ネイルの店も多い。その他にスーパーやデパートもあるし、飲食店は、ベトナム料理の店、珈琲屋は数知れず。イタリアンやハンバーガー屋、寿司屋もある。

わたしが行きたいところは、まず雑貨屋。洋服もみたい。食器も大好き。上の娘に頼まれたインスタント麺を買いにスーパーにも行きたい。
ベトナム語はもちろん、英語さえままならないが、買い物くらいはできるだろうと、まずは洒落たディスプレイに魅かれ、服飾雑貨の店に入った。
「シンチャオ」ベトナム語で、こんにちはと挨拶する。
すると若い女性の店員が、感じのいい笑顔で「いらっしゃいませ」と言う。
あ、日本人だって判ったんだ。日本語の挨拶、覚えているんだな、と思っていると、今度は「試着できます」と言う。
「ありがとう」つい日本語で返してしまった。「日本語、上手ですね」
そう褒めるとテレた感じに笑って「ちょっとだけ」と言う。
「すごいな。日本語勉強してるんだな」
感心しつつしばらく歩き他の雑貨屋に入ると、ふたたび「いらっしゃいませ」
との挨拶。そして「これは漆です。卵の殻も使っています」「三個一組です」
挨拶だけではなく、商品の説明も値段も、ちゃんと日本語で覚えているのだ。
十軒近くの雑貨屋に入ったが、ほとんど日本語が通じたのには驚いた。
無論、仕事だからということは多分にあるのだろうが、日本語が上手くなりたいという意欲がひしひしと伝わってくる。
ベトナム料理の店で『るるぶ』の付録を見せて料理を頼むと、若い男性店員に
「この料理は、日本語で、何と言いますか?」と逆に聞かれたこともあった。
耳に新しい日本語があると、その都度お客さんに訪ね、彼ら、彼女達は、貪欲に吸収しようとしていく。その姿には、もうずいぶんと長い間、思いだすことすらなかった「向上心」というものが、眩しく輝いて見えた。

サイゴン川の前から北西に伸びた、ドンコイ通りを歩きました。
徒歩2分くらいのところにある服飾雑貨屋さんは、
手づくりのチュニックやワンピースが並ぶ『unique』

3階建てのスーパー『ラッキープラザ』スパイスやインスタント麺、
ベトナムコーヒー、ビールなど、気軽に買い物を楽しめます。
万引き防止のためか、入口で鞄はロッカーに入れなければなりません。

『emem』手作り小物はデザインもお洒落で丁寧に作られていました。

右に曲がってマックティブーイ通り右側にある雑貨屋さん『coco』

ずっと歩いて行くと「え? なにこれ?」と思ったら

『市民劇場』で行われるイベントの客寄せのために置かれたものでした。
ここでは、オペラも上演されるそうです。

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ベトナムの金魚

知っている言葉なのに、久しぶりに聞くと、すっかり忘れてしまっていることがある。まるでリセットされたかのように、意味を知り、ふたたび驚くのだ。

「ゴールドフィッシュ」がその一つ。どうしても金の魚を思い浮かべてしまう。漢字を並べれば「金」「魚」何処からどう読んでも「金魚」だ。だが、「ゴールドフィッシュ」は輝く金色で「金魚」は縁日が似合う赤。色のイメージの方が、言葉よりも強く残ってしまうのだろう。

ホーチミンはドンコイ通り付近でひとりランチをした店が『ゴールドフィッシュ』という名だった。ベトナミーな雰囲気と金の魚は何となくマッチしたようにも思え、やはり金色に輝く魚を思ったのだが、店に入るとなかは金魚のロゴだらけだったのだ。
テーブルクロスには刺繍の金魚。皿や花瓶も金魚模様。コースターにも箸入れにも笠をかぶった金魚のロゴが入っている。それがまた、愛嬌があり可愛い。
「ああ、ゴールドフィッシュって金の魚じゃなくって、金魚だったっけ」
思い出すには十分すぎるほどのアピールだ。そして、こうも思う。
「金魚って、純日本風な縁日浴衣に似合うように感じるけど、外国でも可愛がられているんだな」
そんなふうに親しみを感じたその店は、日本語メニューもあり、日本人を歓迎してくれている空気がいっぱいだった。

日本人好みの味にしていると批判する人もいるらしいが、ランチに食べた蟹春雨炒めは、驚くべき美味さだった。「近しい存在になるには、少しずつ歩み寄ることも大切さ」と金魚達は言っているのかも。ベトナム料理なら何でも食べられるという豊富なメニュー。感じのいい店員さん。おススメのお店です。

お店に入ってまず目についたのは、テーブルクロスの可愛い金魚。

お皿やコースターの他に、花瓶にも。爪楊枝が細い!

箸の袋にも、ちゃんと笠を被った金魚がいました。

蟹入り春雨炒めゴールドフィッシュスタイル。やっぱり優しい味でした。
少しだけ唐辛子が効いたタレも、野菜をつけると味をひきたててくれて。
他のメニューも試したいくらい美味しかった。でも、お腹いっぱい。
料理を盛ったこのお皿も、食べ終わると金魚の模様が(笑)

お店の看板はシンプルお洒落。ドンコイ通りから少し脇に入ります。

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ベトナムに入らば

「道路は渡れないところが多いと思うから、ムリしないで」
夫に、言われていた。
ベトナムには信号が少なく、横断歩道で人が待っていても車やバイクが止まることはないし、バイク天国と言われるだけあり、とにかくバイクが多いのだ。
「渡れなくて帰れないと思ったら、タクシーに乗ってもいいから」
物価は安いし、金銭的なことを気にするより、まずは安全を考えてということだ。ホーチミンのそんな道路事情はガイドブックにもかいてあるほど。『るるぶ』に載っていた「道路の渡り方」には、ゆっくり歩くのがコツとある。走って渡ると、バイクの運転手に動きが読めないから、逆にゆっくり歩いた方が危なくないのだそうだ。
「ひったくりにも、気をつけて」
バイクによるひったくりも多いらしい。バッグは車道側には持たないというのは最近日本でも夜道を歩く時などには気をつけるべしと言われていることだ。

ドンコイ通りを歩き始めてすぐに、日本語で声をかけられた。
「おねえさん、どこいくの? のっていかない?」
何故に歩道をバイクが走ってる? との疑問はすぐに解消されることとなる。バイクの運転手達は、歩道を走るのがルール違反だとは思っていないのだ。
声に答えずすたすたと歩くが、歩道をバイクで走りながら追ってくる。いったい何なのだろうと考えて、気づいた。道を歩けば、バイクタクシーに勧誘されると聞いていたのだ。ゆっくり歩く観光客は格好のターゲットなのだろう。
「ノーサンキュー」と言うと、素直に離れていく。
だが、歩き出せばまた別のバイクが「おねえさん」と声をかけてくる。その繰り返しには閉口した。なので、ちょっと早足で、まるでこの辺りのことなら何でも知ってるのだと言わんばかりに堂々と胸を張り、歩いてみた。
すると不思議なほど、声をかけられなくなった。その後の散策は快適だった。郷に入らば郷に従えとは、よく言ったもの。ベトナムに入らば、車道はゆっくりと、歩道はちょっと早足で堂々と胸を張り歩くものなのだ。

ドンコイ通りは、バイクが途切れるのを待っていれば渡れました。
ひったくりにあうことがなかったのも、堂々と歩いていたからかな?

聖母マリア教会前の通り。この幅を渡れる人はジモティですね。
観光客は、横断歩道の方がまだ安全です。

どうしてバイクが横断歩道渡ってるの? と思ったらそのまま歩道に。
歩道を歩いているのにクラクションを鳴らされるのも日常茶飯事です。

ドンコイ通りの突き当り、黄色い建物、中央郵便局前もこんな感じ。

パリと同じくポストも黄色でした。郵便局カラーが黄色なんですね。

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ベトナムの味は、優しくスパイシー

夫の出張に同行し、ベトナムはホーチミンに来ている。
彼は何度も仕事で訪れていて、土産話を聞くたびに一度行ってみたいと思っていた。何と言っても、ベトナム料理に魅力を感じる。スパイシー料理は大好きなのだ。ベトナムではスタンダードな温かい麺、フォーも、その一つ。
真夜中に到着し、翌朝ホテルの朝食ビュッフェにも茹でたてのフォーを出してくれるコーナーがあり、うれしくなった。
「美味しい! 朝ご飯、もうこれだけでいい感じ」
ビュッフェには、オムレツやベーコンもあったが、フォーに夢中だ。
優しい味なのにスパイシー。薄めの塩分を補うために香草やスパイスを上手に使っている。米粉の麺もやわらかく癖がない。夫は言う。
「そういうところが、日本の女性にも人気があるんだろうな」
わたしのなかでは、ベトナム料理といえば、スパイシーというイメージをいちばんに持っていた。だが、スパイスを効かせ美味しく仕上げる基本となるのは、優しい味だったのだ。

優しい味を好みつつも、スパイス効かせたお国柄。
「気をつけて、歩いてね」
夫の心配をよそに、ひとり浮き浮きとホーチミンのメインストリート、ドンコイ通りを散策したのだった。

1日目の朝は、シーフード&ポーク。夫はビーフを食べていました。
こわごわ調味料を下のお皿に盛って、ちょっとずつ入れました。

2日目の朝は、チキンにしました。フォー・ガーというそうです。
スパイシーなソースも調味料も、もう怖くない(笑)
赤いジュースはスイカです。これが、さっぱりして美味しかった。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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