はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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十月を目指して

リビングに置きっぱなしにしていた『Vaho』のトートバッグを、倒してしまった。倒して初めて、底の部分を見た。『Vaho』のバッグや小物は、すべてビニール製ポスターをリサイクルしたもので、様々なポスターを組み合わせて作られている。だから、どんな模様でもどんな色でも可笑しくはない。買った時には見たのかも知れない底の部分も、何か月か経つうちにすっかり忘れている。いや、よくよく見て選んだと思ってはいたが、見ていなかったのかも知れない。何しろ普段は、見えない部分なのだから。

「何にでも、見える部分と、見えない部分があるんだよなぁ」
つぶやいてみて、金子みすずの詩『星とたんぽぽ』を思い出した。

 青いお空のそこふかく、海の小石のそのように、
 夜がくるまでしずんでる、昼のお星はめにみえぬ、
 見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。

 ちってすがれたたんぽぽの、かわらのすきに、だァまって、
 春がくるまでかくれてる、つよいその根はめにみえぬ、
 見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。

トートバッグの底には、藍色がかったブルーの生地に白い文字で『OCTUBRE →』とかかれていた。調べるとスペイン語で『十月』だ。この矢印は『十月に向かえ』ということか。もちろん、意味などないのだと判ってもいる。だが何があるのかと期待しつつ、十月を楽しみに暮らしていくのもまた、いいかも知れない。何か月後かの未来だって、はっきりとは見えると言えない世の中だけれども、未来はあると信じたい。
いや『十月に向かえ』じゃなく『十月を目指して』だったら?
うーん、いったい十月までに、何かが出来るのだろうか。そう思うと、途方に暮れる。ただ途方に暮れ、空を見上げる。見えない星を見いだすように、ピカピカに磨かれた冬の青空に、微かに見える未来を見上げるのみである。

うっかり倒すまで、気にも留めませんでした。
  
リラックマの背中に、ファスナーがついていることは知っていました。
でも、上の娘がびっきーのお骨の前にお供えした、星つきリラックマの
肩とお尻にハートがついていたなんて、知らなかった。
  
この小鉢を裏返すと『美山』と窯元の名が入っているのは知っていました。
でも、選んだ時に気に入った、雪えくぼのようなへこみがあることは、
すっかり忘れていました。見えなくなってしまうものなんですねぇ。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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