はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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焼きが回った?

「焼きが回ったな」と、実感した。
スーパーのポイントを、懸命に貯めている。250ポイントでポイント券が1枚発行され、3枚で千円分の買い物ができるのだ。そのために、いつも郵送されてきたポイント5倍券を切り取って財布に入れている。ところが一昨日は、その手順をひとつサボり、切り取った5倍券をポケットに入れ買い物した。
「今日はポイント5倍だから、いっぱい買い物しようっと」
ビールやらストック用の調味料なども、いつもの買い物に加えカゴに入れた。
「ポイント5倍 ♪ ポイント5倍 ♪」
ルンルン気分で、食材が山と積まれた買い物かごをカートで押しつつレジに並ぶ。レジも空いていてラッキーだよなぁと、嬉しくなる。
そして、買い物が終わり、気づいた。
「あーっ! ポイント5倍券、出すの忘れたぁ」後の祭りである。

そしてまた、昨日も実感した。
「ラーメンでも食べに行くか?」と、夫「いいねぇ」と、わたし。
「あ、でも3時までに帰らなくっちゃ、テレビでヴァンフォーレのアウェイ試合観るから。あーっ! 何言ってんだよ、ラーメン食べちゃダメじゃん」
「ほんとだ!」
ふたりしてすっかり忘れていたことに、もう爆笑するしかない。
先週、わたし達がラーメンを食べてから試合を観に行ったばかりに、ヴァンフォーレは開幕戦に完敗。週末はラーメンを断ち、新しいジンクスで応援するぞと、ふたり誓い合ったばかりだったのに。

そしてまた、その1時間後。
「昼ご飯、出来たよ」夫を呼ぶと、彼は遠慮がちに言った。
「あのさ、チャーハンじゃなかったの?」
「あっ! ごめん」と、そこでわたしは、ようやく気づいた。
さっきのラーメンの話の後に、彼が「じゃあ、家でチャーハンにしようか」と言ったことに。味噌汁も大根の煮物もあるし、目刺しもあるから焼こうっとと、すっかり忘れてテーブルに並べた目刺し定食に目を落とす。
「ほんと、ごめん」と、しおれるわたしを、彼は責めなかった。
だが「美味しいね」と、顔をひきつらせ口にした言葉の裏にある「チャーハンが食べたかったのに」という思いは、はっきりと伝わってくるのだった。

『焼きが回る』とは、刃物を作る際に使われていた言葉だそうだ。切れ味のいい刃物を作るには、焼き過ぎないのがポイントだとか。焼き過ぎて『焼きが回る』と、刃はぼろぼろ。切れ味も何もあったものではない。
『焼きが回った』包丁は、砥いでも切れるようにはならない訳だが「切れない包丁で、手を切った方が痛い」と、料理好きな父が昔、砥石で包丁を研いでいたのを思い出した。
切れ味鈍くなった自分を静かに受け入れて、誰であろうと、切れない包丁で傷つけることのないように、生きていきたいものだよなぁ。
今日は、チャーハン作ろ。よく『焼きが回った』胡麻油が香ばしい美味しいやつ。今日は今日とて、ふたたびみたび、忘れちゃいそうだけど。

一番切れる包丁で、スパッと。切れ味いいと、気持ちいいなぁ。

おやつには、夫、ご所望のキウイを食べました。
ヴァンフォーレは、FC東京と、1-1で引き分けました。
ラーメン食べに行かなくて、よかった! のかな?

夕食の出汁巻き卵も、同じ包丁で切りました。
ささくれ立っているのは、熱々の上に、帆立の缶詰入りだからです。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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