はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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メルヒェン再考

グリムにはまったく詳しくないが、図書館で展示のお手伝いをした。詳しくないので切ったり貼ったり並べたりした。
「シンデレラ」が灰かぶり(薪を燃やした後の灰だらけの娘)って意味だってことくらいは知ってたけど、これも、ああこれも、グリムだったんだと知らないことばかりでたくさん勉強したような気分になった。メルヒェンと呼ばれるも、ちっともメルヘンチックではないグリムが集めた物語達。大人もけっこう楽しめるものも多い。
 
このあいだ娘と『ホテルカクタス』(ビリケン出版)の話になった。江國香織の小説だ。
「なんか昔話でソーセージとねずみと焚き木かなんかの話があったの思い起こさせるよね」とわたし。「えーまったく知らない」と娘。
「三人で仲よく暮らしてて、トラブルが起こる話」
「ねずみとソーセージはありえないでしょ」
「何だったっけなーあれ」「ねずみがいたらもう最強だからムリ」
で、それがグリムの二つの話を混ぜこぜにした記憶だったと、展示のお手伝いでわかった。
「空豆とわらと炭の話」と「ねずみと小鳥とソーセージの話」がごっちゃになっていたのだ。空豆とわらと炭が意気投合し、旅に出ようと川を渡る。わらが橋になり炭が渡っているうちにわらが焼けて炭は川に落ち、空豆は大笑いして腹が破け黒い糸で縫ってもらったという話。それと仲よく暮らしていたねずみと小鳥とソーセージだが、ねずみが水汲み小鳥が薪拾いソーセージが料理をしてうまくいってたのに、役割りを変えようとした途端うまくいかず破綻したという話。どちらもグリムの物語だった。
 
『ホテルカクタス』はきゅうりと数字の2と帽子が「ホテルカクタス」という古いアパートで暮らし親しくなるという話だ。
「きゅうりは故郷の家族を大切に思ってるいつも筋トレしてる奴だったよね」
「で、数字の2はグレープフルーツを切らさない。どんな季節でも売ってる安定した物を求めてるんだよ」
「帽子はギャンブル好きだっけ?」
「そうそう。競馬でお金すっちゃって、数字の2に帽子としてかぶってもらってバス乗ったよね」
「あれ笑えた。帽子はハードボイルドにこだわってるのにかっこ悪くてさ」
「あの本はいったい何なんだ?」「何が言いたいんだろうね」「言いたいことなんて無くてもいいんだけどさ」「たくさんあるような気もする」そう言いながらふたりとも『ホテルカクタス』が好きなのだ。郷愁っていうのかな。なつかしさを感じさせる不思議な雰囲気に魅かれるのかもしれない。

手作り感いっぱいのグリムの展示は甲斐市竜王図書館で9月末まで

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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