はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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『マスカレード・イブ』

東野圭吾『マスカレード・イブ』(集英社文庫)を、読んだ。
『マスカレード・ホテル』から始まるシリーズ、2作目だ。シリーズ2作目といっても『イブ』は、物語序章の意味合いが強く『ホテル』で、主役の二人、山岸尚美と新田浩介が出会う以前の出来事を描く、短編集になっている。
シリーズのこれからを楽しみに、軽く流して読めるミステリー4編だ。

その表題作『マスカレード・イブ』のなかで、印象に残ったシーンがあった。
殺人現場は、大学の研究室。刑事である新田が、部屋に入るなり回想したのは、小学校での理科の実験だった。以下、本文から。

五円玉にメッキをし、銀色にする実験を行った。ただしこの実験のことは人にいいふらしてはいけない、と先生はいった。硬貨を加工するのは法律違反だかららしい。それを聞いて、余計に興味が湧いた。メッキした五円玉は、一見すると五十円玉のようだった。店で使ったらばれるだろうか。目の悪いお婆さんなら気づかないのではないか。想像すると、わくわくした。

してはいけないことを、してみたいという欲望。心の奥底に、しまい込んでいる感情が、ふと表に現れる瞬間。そういうものは、誰にでもあるのだろうか。

散歩道に、漆の葉が茂っている。見ていると、不意に強い感情が流れ、触ってみたくなる。触ればひどくかぶれ、後悔することは判っている。だが、してはいけないことを、してみたくなる瞬間を、漆に見てしまうのだ。

意味もなく非常ベルを押したくなったり、白いブラウスに赤ワインをこぼしてみたくなったり、開けてはいけない扉を開けたくなったり。多分、一生やることはないだろう、無意味な欲望達。
「触って、ごらん」と、林で漆が、呼んでいる。

マスカレードのテーマで何処まで行けるかなぁ。楽しみ!

生き生きと伸び、林じゅうに広がっている漆。青々としています。

色づいている葉も、ちらほら。紅葉の季節には、漆は主役になります。

トンボくんは、とまっても、かぶれないんだね~。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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