はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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イチイの実に見た先入観

今年も、庭のイチイの木が、赤い実をつけている。
クリスマスツリーのような鮮やかな緑と赤のコントラストに、目を魅かれる。何度も見ては微笑んでしまうような、可愛らしさだ。
イチイは2年前に植えた木で、大きくなっていく様も、また可愛く思え、しばらく見とれていたりする。大雪で枝が折れた時にはひどく胸が痛んだが、その部分も判らぬほどに、今は葉が生い茂り、植物の強さに、感心するばかりだ。

その濃いピンクとも赤とも言える実を、初めて見た時には、木がつけた実だとは思えず、じっと見つめてしまった。
それというのも、木の実のようには、見えなかったからだ。まるでクリスマスツリーに飾るプラスチックか、ゴムか何かで作ったモノのように見えた。いや、今だって、そんな風に見えてしまうのだ。
自然が創ったモノと、人間が作ったモノ。その違いを考えると、混乱する。人も自然の一部なのだから、その二つは対義語ではないという考え方もあるが、対極にあるものとして考えられることが多い。

先日夫が、稲を実らせた広がる田んぼを見つめ、ぽつりと言った。
「サッカー場みたいだな」「えっ? 田んぼのこと?」わたしは耳を疑った。
田んぼとサッカー場も、対極にあるもののように思えたからだ。
サッカー好きの夫の目には、田んぼもサッカー場に見えるのだと思うと、イチイの実を見て人工物のようだと感じる訳が、腑に落ちた。わたしのなかにある自然のモノと人工物に対する先入観が、そう思わせたのだと。案外単純にもクリスマスツリーの記憶が、わたしのなかにそれを創っていたのかも知れない。

そんなことを考えながら、信号待ちで、床屋の赤青白のくるくる回るサインポールを見るともなく見ていた。そしてふと考えた。ここは床屋だと先入観から思い込んでいる訳だが、じつはドアを開けてみたら、全く違う店なのかも知れない。バーかも知れないし、拳銃麻薬密売店だったりするのかも知れない。
イチイの可愛らしい実に、人の持つ先入観の不思議と、その先入観の危うさ、怖さが、見えた気がした。

イチイの木の実。何処か人工的に見えるのは、わたしだけでしょうか?

イチイだけじゃなく、この季節、庭はカラフルです。
ピンクのガウラは、夏の初めから花を咲かせていましたが、
今が一番、綺麗。ありったけの花を咲かせている感じです。

清楚なニラの花。田んぼの畦道でもよく見かけます。

ヤブランも、蕾が膨らんできました。もう、咲くね ♪

レンガの間からタンポポ。可愛い~って言ってられないんだけど(笑)

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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