はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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だんだん細くなっていく

夏の終わりの庭で、カマキリが自分の影に見とれていた。
祈りのポーズをするのは、捕食前のファイティングポーズだとも言われているが、獲物はいない。わたしを警戒しているのかとも思ったが、近づく前から、このポーズのまま動かなかった。
「影に見とれている」ようにしか、わたしには見えなかった。
影は、痩身のカマキリよりもずいぶん細く、じっと見ていると、ますます細くなっていくようだった。
「だんだん細くなっていく影を見ていると、自分がすっと消えていくような気がするんです」カマキリの声が、ふと聞こえた。
お腹が少し膨れているようにも見えるが、雌だろうか。交尾の後、やはり雄を食べたのだろうか。じっと見ていると、わたしもまた、いつ消えてしまっても可笑しくないような気持になってくる。
夏の終わりには、そんな危うさや、淋しさをまとった空気が流れている。

そして、日課である体重計に乗り、消えるはずもない現実を直視する。
「いつもいつも、正直に数字を表示しなくてもいいんだよ。夏の終わりの空気を感じてごらんなさい」との説得に、体重計が応じたことは今のところない。

影に見とれているようにも、淋しげなようにも、見えますね。

きみは、いったい何をしているの?

ふらふらと、飛んではとまる風来坊のアカトンボ。
「いい季節だねぇ」と、言い合いながら、大勢で飛び回っています。

コチャバネセセリチョウ。よく見ると cute なお顔。

いつも、引っ掛かってしまう、蜘蛛の巣。
「いい加減、ここに巣があること、覚えてほしいんだよね」と、蜘蛛さん。
地獄に落ちても、蜘蛛の糸は、垂らしてもらえそうにないな。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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