はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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振動と鼓動を感じて

吉祥寺に、芝居を観に行った。
伊坂幸太郎ファンクラブ(在籍2名)の仲間に誘われたのだ。伊坂原作の『チルドレン』をやるというのだから、観に行かない手はない。
「読み直さなくてもいいよね『チルドレン』なら」と、彼女。
「10回は、読んでるから、さすがにいいね」と、わたしも受け合う。
『チルドレン』は、ふたりの間では「伊坂入門書」と呼ばれており、万人受けするであろうと思われる連作短編集。
「伊坂幸太郎って、なんて面白いんだ!」と、雷に打たれたような衝撃を、初めて感じた本でもある。

芝居では雷には打たれなかったが、いきなり始まったドラムのリズムに心臓を貫かれた。それは、音と言うより振動だ。
つい先日、夫が言っていたことを、思い出した。
「ビートルズって、やっぱすごいバンドなんだよ。昔は音響のイヤホンなんかも今みたいに精密じゃなくて、観客の声援で自分達の演奏の音が聞こえなかったんだって。で、なんとリンゴ・スターがたたくドラムの振動だけを頼りに弾いてたんだよ。なのに、全く狂わなかった」
『チルドレン』は、主人公、陣内のロックバンドが、物語のなかでも大きな役割を担っているのだが、芝居では主役級。中心に据えられていた。
ファンクラブの仲間が選んだ前から2列目、真ん中の席で、心臓に感じる振動を、演じる人達の鼓動を心地よく感じた。だから、ライブって、生の芝居っていいんだよなぁと身体じゅうで感じていた。

彼女も無論キラキラ目で見ていたが、伊坂以外の芝居も、あれこれ観に行っているらしく芝居慣れしているのもあるのか、うっとりと述べた最終的感想は、
「やっぱ、伊坂、いいわぁって、そこ此処で思いつつ観てた」
「生の芝居じゃなくて、そこかい」と突っ込みつつ、あのシーンは本と違ったとか、ビートルズのコピーバンドの設定だったのに著作権上使えなくて違う歌にしたのかとか、どの役者が好みだったなど、新宿までの中央線での話は尽きることはなかった。うーん、振動と鼓動。芝居に、ハマりそうな予感がする。

劇団『東京ハートブレイカーズ』舞台に立つのが、心底楽しいという面々。
舞台後の挨拶「ここは、大人の遊び場です」という言葉が印象的でした。

ライブハウス『STAR PINE’S CAFE』
  
「求む! 表現者かぁ」「スタッフ、やりたいなぁ」と、彼女。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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