はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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くだらないおしゃべりの効用

「わたしの青春は、もう終わった」
19歳の末娘が、レディボーデンをスプーンですくいつつ、言った。
「『ビバリーヒルズ青春白書』では、大きな容器からそのままアイスクリームをすくって食べてたよ」と昔、アメリカで流行ったドラマの話をしたばかり。
彼女はそれを真似て、レディボーデンを独り占めしつつ、黄昏ている。
「何言ってんの。まだまだ青春真っただ中でしょう」と、呆れ顔でわたし。
「だって、青春18きっぷって言うじゃん」と、娘。
「青春18きっぷは、何歳でも使えるんだよ」と、わたしが返す。
「知ってるよ。でも、ネーミングは18でしょ」
「ネーミングより、中身が大切なのさ」

昨日、おしゃべりな末娘は、大学のある埼玉に帰っていった。彼女を送って帰ってくると、家のなかが、しんとしている。
その昔、友人に教わった。
「反抗期の子どもに、親がしてあげられることがあるとすれば、美味しい食事を作ることと、くだらないおしゃべりをして一緒に笑うことだけ」と。
ご飯を美味しく食べながら、くだらないことをしゃべり、笑う。子ども達にとって、わたしがしてきたことは、どんな風に残っているのか判らないが、巣立ちの時を迎えつつある娘達に教えられた。「くだらないおしゃべりをして笑うこと」は、今や、子ども達にしてあげることでも何でもなく、逆にわたしが楽しんでいることだ。大雪で疲れ果てた身体には、よく効いた。娘達と、とりとめもなく、くだらないことをぐだぐだしゃべり、よく笑った効用。

「甘栗ってさぁ、脳みそと似てるよね」と、末娘。
「えっ? 似てないよ」と、いきなり否定するわたし。
「似てるじゃん、形が」「あー、見た目のこと?」「味だったら恐いよ」
「ん? だったら、脳みそじゃなくて脳でしょ」と違和感に気づき、わたし。
「脳だね。脳みその味はさすがに知らない」「食べたことあるのかと思った」
「ある訳ないじゃん」「一人暮らし初めて、多くの経験をしてるんだなって」
「それでも、脳みそは食べない」「だよねー」

くだらないおしゃべりを山ほどして、末娘は帰った。食べかけのレディボーデンと甘栗と、そこ此処に甘く明るい青春の気配を残して。

『ビバリーヒルズ青春白書』上の娘が幼稚園の頃、ハマって観ていました。
懐かしいなぁ。でも「ビバリーヒルズ」がなかなか思い出せなくて、
末娘に話す時に苦労しました。「超都会でニューヨークじゃなくって」(笑)

これが、脳かぁ。じっと見ていたら、食べられなくなった(笑)

末娘と車中で食べたたこ焼き。ソースマヨと激辛ソースマヨ。
「普通、どっちかかいてない?」「あるよね?」でも記載なし。
辛いのが苦手な彼女は、約1分迷って辛くない方を選び当てました。
それから、はふはふ言いつつ食べてる間じゅう、辛い物談議。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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