はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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持ち帰ること、できますか?

「勇気は、実家に忘れてきました」と言ったのは、伊坂幸太郎『モダンタイムス』の主人公、渡辺が小学3年の夏のことだが、それとは全く関係なく、勇気を振り絞って、わたしは聞いた。
「持ち帰ること、できますか?」
中華料理屋での、ひとりランチ。何度か行ったことのあるその店は、タンメンや担担麺なら麺は少な目で上品な感じだった。それで、油断していたのかも知れない。所用で出かけた帰りで2時半を回っており、空腹だったのもある。いつもはオーダーしない五目かた焼きそばなどを選んでしまった。

テーブルに置かれるや否や「嘘!」と、声を上げそうになる。
『誘拐』で、スーザンの魅力を目の当たりにしたスペンサーが言っていたように「長く培ってきた社交上の心得で、なんとか声は上げずに済んだ」が、それくらい量が多かったのである。大盛りとは、あきらかに違う。ひとりで食べるという設定を、実家に忘れてきたのだろうと、声を荒げて問いただしたくなるほど多かった。美味しかったが、途方に暮れた。自分で頼んだ料理は、残さない。その信念がガラガラと音を立てて崩れていく。
「ムリだ・・・。ムリだ、ムリだ、ムリだ」
がんばったが、やはり無理だった。そして、勇気を振り絞って聞いた。
「持ち帰ること、できますか?」
すると、女性スタッフは笑顔で言った。「はい」
よかった。本当によかった。夕飯に、冷蔵庫の野菜と炒めて食べた。カリカリのかた焼きそばもいいが、柔らかくなってもじゅうぶん美味しかった。

勇気は、やっぱ持ち歩かなくっちゃ。

写真では、伝わらない威圧感が、もう、そこ此処に漂っていました。

しっかりした容器に入れてくれて、紙袋まで。至れり尽くせりです。

ひとりの夕飯は、冷蔵庫にあった小松菜、人参、シメジを炒めて、
辛子とお酢をたっぷり。柔らかくなった麺も、またおつなもの。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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