はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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軌道修正する時間

隣町にオープンした珈琲屋にひとりふらりと立ち寄ってみた。
『珈琲茶房 光香』光る香りとかいて「こうか」と読む。若いマスターがひとりでやっている小さな店だ。
室内にはカウンターとテーブルもひとつあるが、天気がいいのでウッドデッキに座らせてもらった。樽のテーブルに麻袋のテーブルクロス。オーダーの際カップをお客さんに選んでもらうのが決まりだと言う。
いつも初めて行く珈琲屋では、あれば浅煎りをオーダーする。珈琲好きのくせに苦みが強い珈琲が苦手なのだ。なのでペルーのチャンチョマイヨ産、浅煎りストレート珈琲を頼んだ。香りがよく苦みもちょうどわたし好み。酸味がもうちょっと欲しいところだが、酸味が強い珈琲を自分より好む人をわたしは知らないので、それは贅沢と言うものだろう。空にはうろこ雲が広がり、手元には読みかけの本があり、静かに時間は流れた。
たまにこうして誰かがドリップした珈琲を飲みたくなる。冷凍庫にはいつでもわたし好みの酸味と苦みを合わせ持つ珈琲豆が常備してあるし、自分で淹れた珈琲が自分にいちばんぴたりと来ることも知っているのに、なぜだろう。
 
「軌道修正」と考えてみる。わたしには、自分の味に慣れすぎたなと感じてくると、こうして新しいものを求めて出かけたくなる傾向がある。珈琲に限らず料理にも限らず、日々暮らしていくすべてのことにおいて。
同じ場所に同じように立っていても、周りは変わっていく。時々こうして自分の立っている場所を外から眺めることも大切だと、たぶん自分自身わかっているのだ。

『光香』の看板の下にはもうひとつ「春夏冬中」の看板が
秋がないから商い中ってやつですね

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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