はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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南アルプスの夕焼け

昨日は夕焼けが綺麗だった。夕刻、娘を迎えに行く途中、車を停めてしばらく眺めた。南アルプスの山々が気温の冷え込みもありくっきり見える。取り分け夫の好きな甲斐駒は、ごつごつした身体で冷たい空気を気持ちよく吸い込んでいるようにのびのびとして見えた。
 
夕陽が印象的な役割を果たしている小説がある。本多孝好の『MOMENT』(集英社文庫)だ。夕陽で始まり夕陽で終わるこの小説の舞台は病院。
 
「死ぬまさにその瞬間、自分は何を思い浮かべると思う?」
まるで夕陽に向かって問いかけるかのように彼は言った。
「昔読んだ4コマ漫画のひとコマとか」「4コマ漫画のひとコマ?」
夕陽から視線を外して、彼は聞き返した。
 
主人公は総合病院で掃除のバイトをしている大学生、神田。
そこには「死を間近にした人の願い事をひとつだけ叶えてくれる必殺仕事人伝説」があった。神田はある末期患者の願い事を叶えてから、噂の必殺仕事人として動くようになる。
老婦人は初恋の人に復讐したいと願い、口の悪い老人は戦争で殺した仲間の家族を見守りたいと願い、14歳の少女は修学旅行で1度だけ会った大学生に会いたいと願う。
死を間近にした人々に接し、神田はその重みを受け止めていく。
 
死を目前にして何を思い何を願うか。今はまだわからない。夕陽が沈んでいくように、いつかその時は来るんだろうけど。

真ん中が甲斐駒ケ岳 もうすぐ冠雪かな

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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