はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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夏と秋の狭間で

甲府からの帰り道、農道を走っていると、道路にふわふわと舞う白いものを見た。「雲?」あり得ない思いつきに、自分で笑う。
心ない誰かが捨てた、ティッシュペーパーだろう。それでも、動いていると生き物のようにも見え、轢いてしまうのも気が引けて、スピードを落とした。

「夏の雲。秋の雲。夏の雲。秋の雲」
季節の狭間に浮かぶ雲達を、ひとつひとつ、選別したくなる。
そんな空が広がっていたから、つい足元に舞うものまで、雲だなんて思ってしまったのだろう。運転の気が散らないよう、道路脇が広くなっているところまで走り、駐車して雲の写真を、心ゆくまで撮った。そこまで走っているうちにも、雲は形を変えていく。空の色も、少しずつ夕方の色へと変わっていった。

ふたたび、走り出してすぐだった。
今度は、真っ直ぐにフロントガラス目がけて飛んできた。あわや、正面衝突。急ブレーキをかけ、難を逃れた。いや。向こうが高度を上げなければ、ぶつかっていた。カーブで、たがいに見えなかったのだ。
反対車線の車が、のろのろと走りながら、飛んで行った猛禽類を物珍しそうに見て「こんなに間近で見られるなんて」とでも言うかのように嬉しそうな顔をしている。羽根を広げた大きさはフロントガラスの幅ほどあり、茶色が強かったことを考えると、多分トビだ。道路に餌でも見つけたのか。

いつも空で見ているからと言って、足元には絶対にないとは言い切れない。
「さっきの白いものは、夏の雲の切れ端だったんですよ」
もしかしたら、トビは、教えてくれたのかも知れない。

北側の夏らしい雲は、八ヶ岳をすっぽり覆っていました。

北側の高いところには、にぎやかに様々な雲が混じりあって。

東側には、夕方なのに真夏の青空が広がり、入道雲がどーん。

西側の南アルプス連峰は、ちょっと霞んで、夏を惜しんでいるようでした。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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