はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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『ポテチ』

濱田岳主演の映画『ポテチ』を、観た。
公開されたときに東京まで行き観てきたので、2回目だ。何故にわざわざ?
それは、伊坂幸太郎原作作品だからに他ならない。

原作は『フィッシュストーリー』(新潮社)に収められた短編。小さなドラマだ。空き巣だが、悪人からしか金を盗まない今村忠司(濱田岳)は、困っている人を見ると放っておけない。同棲中の大西若葉(木村文乃)とも、自殺しようとしたのを助けたのがきっかけだった。そんな今村は、あることに気づき泥棒家業の傍ら探偵もする黒澤(大森南朋)に調査を依頼する。そして自分が生まれたときに病院で取り違えられたことを知った。地元のヒーロー、プロ野球選手の尾崎と。しかし彼は、それを自分の悲劇だとは捉えなかった。
以下小説本文から。

「でも、彼は、事実を知って、ショックを受けた」
「何にだと思う?」黒澤はその時だけ、自信がなさそうだった。
「俺には分からない」と口に出した。
黒澤が、人に意見を求めることなどないと思っていたから、大西は少し戸惑った。黒澤自身も戸惑っている。「たぶん」と大西は答える。一般の人たちのことは分からないが、たった一年の同棲生活の中でも、今村の性格についてはある程度、把握できているつもりだ。
「たぶん、自分の母親と血が繋がっていないことにショックを受けたんではないと思いますよ」「俺もそう思う」
「本当の母親に会いたいと思ったわけでもないと思います」
「じゃあ、何にショックを受けたんだ」
「お母さんを可哀想に思ったんじゃないですか? 『母ちゃん、本当だったら、もっと優秀な息子を持てたかもしれないのに』とか」
ああ、と黒澤が納得したように息を洩らす。「そうかもしれないな」

「つらいっす」「どうしたらいいのか分からねえよ」「訳分かんねえよ」
そう言いながら、今村がとった行動は、ひたすら、本当にただひたすら、尾崎を応援することだった。

それにしても、岳くん、売れちゃったなあ。CM出演数トップだって。
伊坂ファンにとっては、可愛がってきた子がブレイクしちゃって淋しい感がぬぐえない。『アヒルと鴨のコインロッカー』で主演したのが9年前。『ゴールデンスランバー』では、伊坂が濱田岳をモデルにしてかいた殺し屋キルオを演じるという逆輸入(?)そして『ポテチ』。岳くん、ずっと応援してるよ。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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