はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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大根に冬を感じて

埼玉の末娘を訪ね、東京で友人達と飲み、帰ってくると、ポストには銀杏、ウッドデッキには大根が置いてあった。
「笠地蔵さん、ありがとう」
地蔵に笠をかけた覚えはないが、ありがたくいただく。銀杏は、近所の年下の友人から。多分、大根は、毎年お米を買っている田んぼのお婆ちゃんからだ。
これは、熱燗だな。と、ひとり晩酌のメニューを考える。夫は留守だが、買ったばかりの甲斐男山を開けて、くいっと呑んで温まろう。

大根は、いつも入れる鶏肉は省き、白だしでことこと煮た。大根の葉は、軽く茹でて胡麻油で炒め、みりんと醤油をさっと煮たて、銀杏は、レンジでチンして、五島列島の塩を添える。冷凍庫には、京都の生麩がある。バター焼きにし、晩酌の準備は整った。
薄味で煮た大根は、しっとりやわらかかった。

「大根の季節に、なったんだな」冬が来るのだと、不意に実感する。
そう言えば、と、留守にしている間に『明野ふるさと大根祭り』が、やっていたことに気づいた。何年か前までは、子ども達を連れて出かけた、明野で一番盛大なお祭りだ。大根抜き体験もでき、大根の形のアドバルーンが上がる。
子どもが大人になっていくと、こういう場所に行くこともなくなり、祭りがあることさえも忘れるようになったかと、少し淋しいような気持ちで考えた。
時間の流れって、不思議だ。じつは不思議でもなんでもないことなのだが、ある時ふと立ち止まって考えると、自分の忘れていた部分、見ていなかった部分も、知らぬ間に時を経ている。それが不思議に思えてしまう。だから、見過ごした車窓の風景を惜しむように、振り返ってみたりするのだ。
それでも明野は、変わらず「大根の村」で、わたしは今年も、ウッドデッキに置いてあった大根を煮て、温かな冬を感じている。

掘りたてだったようで、土がまだ湿っていました。

イチョウももう、銀杏を落とす季節なんですね。

甲斐男山は、熱燗にぴったりの日本酒。身体の芯から温まります。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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