はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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ピンクなパエリヤパーティ

「ピンクだねぇ」「ほんと、ピンクで統一されてるねぇ」
テーブルクロス、お皿、おしぼり、紙ナプキン、割りばしの袋までピンク。いつもそこにいるだけで場が華やぐ彼女だが、そんなにピンクが好きだったっけ? とちょっと意外に思いつつ、テーブルに着く。

「パエリヤを美味しく炊く秘訣を会得したから、ぜひ食べに来て」と言う友人宅に、友人達3人と共にお邪魔した。その整然としたリビングが綺麗にピンクだったものだから、友人達と顔を見合わせ彼女に問うてみたのだ。すると、
「ピンクは癒しの色なんだよ。優しい気持ちになれる色なんだって」
本当は緑が好きなんだけど、と言う彼女。家族が過ごすリビングをピンク系のもので囲んだ優しさに、一同ホッとした気持ちになる。
「そう言えば、歳をとってから、身の回りの小物は自然とピンク系を選ぶようになった」と、わたし。
「歳をとってからって、それなによ」と、いらぬ茶々を入れる友人のひとり。
「はいはい。まだ歳とってないね。40歳過ぎてからってこと」と、わたし。
「自分が求めている色を、自然と選ぶものなんだよ」と、家主の彼女。
全員が50代。気ままなでにぎやかなホームパーティ。パエリヤは海鮮の旨味たっぷりでカリッと焼けていて最高に美味しかった。

帰りに、ピンクの靴下を買った。友人の優しさをいっぱいに感じて、自分には優しい気持ちが足りないと、これは自然にではなく請うて手にしたものだ。
「優しい気持ち、優しい気持ち」唱えつつ、足を延ばし本屋に立ち寄った。
そこで見つけた本は、綾辻行人『アナザー エピソードS』(角川書店)バリバリのホラーだ。
「ホラーは、 優しい気持ちと相容れないものか?」
頭のなかで、ふたつをとっさに並べ比べてみる。何か方向が違っている気もしたが、夢中で読んだ『アナザー』の続編。ぜひぜひ読みたい。
「いったい、わたしは何を求めているんだろうか」
本屋の天井を仰ぎ見て、友人のように心優しい女性にはなれないのだと、判りきっていることを再確認する。
秋の夜長。「優しい気持ち」と唱えつつ、ピンクの靴下を温かく履き、思いっきりホラーを楽しむ。しかなさそうだ。

魚貝類は、鍋セットを使うのだと友人。その柔軟性! そしてこの出来栄え!

ピンク色が、本当に優しい。あ、盛り付けの途中で撮りました。
たくさんの美味しくてお洒落な料理を、用意してくれました。

温かい靴下が必需品の季節になりますね。活躍してもらおうっと。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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