はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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とれないペットボトルのフタ

新宿に向かう特急あずさのなかで、推定2歳の男の子がぐずっていた。
「だからね、これは、とれないの」と、必死に説得するお母さん。
「いやだ、とって! ふた、とって!」と、べそをかく男の子。
水を買ったはいいが、フタがとれないタイプのペットボトルだったのだ。確かに小さい子などでも、フタを落としたりせずに扱えるから、便利な部分もあるかもしれない。だが、個人差は大きいが、初めてのこと、初めてのものに対して、子どもは簡単に受け入れられないことが多い。
しばしの間、揉めた挙句、水飲みたさか、疑心暗鬼になりながらも彼は一口だけ飲み、眠ってしまった。

息子が、そうだったなぁと思い出した。同じ道を歩くことや、同じ服を着ることに、こだわった。そういえば、晴れの日も常に気に入った長靴ばかり履いて、買っておいた運動靴がほぼ履かずに小さくなってしまったこともあったっけ。パジャマが小さくなって着られなくなった時には、泣いてずいぶん抵抗した。新しいパジャマがあるのに、小さなパジャマを着続けた。

こだわりを持つことは、大切だ。それと同じく、新しいものを受け入れることも大切だ。大人になったって、その両方をバランスよく大切にしていける人は少ないんじゃないかな。
家族で言えば、わたしと息子と末娘は、こだわる方に傾き、夫と上の娘は、新しいものをどんどん受け入れる方に傾いている気がする。
だが、息子は東京で働き、ひとり暮らしている。末娘も、さいたまで大学に通い、ひとり暮らしている。新しい街を受け入れ、新しい職場や学生生活を受け入れ、暮らしているのだ。すごいことだよなぁと思う。息子は今、たぶんパジャマなど着て寝たりはしないのだろうと想像する。部屋ではコンビニにだって行ける格好で、過ごしているに違いない。

ペットボトルのフタがとれずぐずっていた男の子も、これから様々な新しいことを受け入れ、大人になっていくのだろうと当たり前のことを考えた。
春に大学生になった末娘のマシンガントークが聞きたくなって、さいたまは浦和に向かう途中のことである。
  
浦和までは約3時間。駅前には、うなこちゃんが立っています。
やなせたかしさんが作った、鰻の街、浦和のシンボルキャラです。

西口の仲町商店街。昭和の香りがするけれど、にぎわいはあります。

ちょっと歩くと、雰囲気のあるお寺『玉蔵院』が。
春には樹齢百年の古木、しだれ桜が綺麗だとか。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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