はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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解明されたスペイン風オムレツの謎

結婚当初からの、我が家のメニューの一つに『スペイン風オムレツ』がある。
わたしとしては「これって、ほんとにスペイン風なの?」と、微かな疑問を胸の片隅に抱えつつも、夫が迷うことなくそう呼ぶので、それに倣って来た。困った時には『スペイン風オムレツ』と頼りにしてきたメニューでもある。
卵、玉葱、じゃが芋、ウインナ、あればニンニクと、買い物に行かずとも作れる食材で成り立っているからだ。大雪だったこともあり、この機会に冷蔵庫の整理も兼ねて、買い物を控えていた。
それでまあ『スペイン風オムレツ』の出番と相成った訳だ。

その夕食の席で、夫が何気なく言った。
「うちの『スペイン風オムレツ』って、ほんと、美味いねぇ」
「うん、美味しいよねぇ。スペインで食べたトルティージャ(じゃが芋入りオムレツ)とは、全く違うけどね」
「確かに、別の料理だね」「焼き立て食べる習慣、ないみたいだったし」
「ところで、これ、何処で覚えたの?」と、夫。
「えーっ? きみに教わったんじゃん」と、驚きつつ、わたし。
「うそぉ! 俺? 作ったことないよ」
「口頭で、これとこれとこれが入ったオムレツ作って、って、多分言われた」
「じゃあ何? うちの『スペイン風オムレツ』は、俺のレシピってこと?」
「そうだよ。もちろん、わたし風に、アレンジはしたけどね」
「それは、びっくりだ」「なにそれー、今頃?」
ふたり、ひとしきり笑い、フライパンごと食卓に置いた大きなオムレツを、何度も皿に取り、豪快にケチャップをかけ、ワインを飲みつつ頬張る。
何処の家庭でもそうだと思うが『我が家の料理』のなかには、不思議とドラマが生まれていく。こんな小さなドラマとも言えないドラマが、雪のなか灯りがともる食卓ごとにあるかと思うと、温かい気持ちになる。いや。そうじゃない家族も、子ども達も、世界中にはたくさんいるんだろう。幸せなんだと、実感する。贅沢などしなくとも、こういう小さな時間が、幸せの素なのだと。

娘がサークルのイベントで、帰らない夜。これからは、ふたりの食卓になっていくのかなと、少しばかりしんみりしつつ、赤ワインをくるくる回した。

写真撮るの忘れてて、半分食べてから、パチリ(笑)
やっぱり焼き立てが、美味しいですよね。

ピクルスが、いろいろあると食卓も楽しくなります。
保存食なので、こういう時のために、集めておくのもいいかも。
何故か、バレンタインコーナーに置いてあった、ピクルス達。

茗荷のピクルスには、ほんのりとローズマリーが効いていました。
  
グラナダのバル『レオン』では、トルティージャとハモン・セラーノを、
飲み物を注文すると付いてくる、タパスとして出してくれました。
焼いたものを、店のカウンターにガラスの器に入れて置いておき、
出す時に、切るというスタイルがほとんどでした。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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