はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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今、飛びたいんだ

晴れた朝、玄関で雨蛙に会った。雨蛙は飛んでいた。玄関のドアに向かって。
「どうして飛ぶの?」思わず聞いた。玄関のドアの先、上には何も、強いて言えば蜘蛛の巣くらいしか無いように見えたからだ。
「飛びたいから」雨蛙は答えた。「今、飛びたいんだ」
そして飛んだ。何度も飛んで、そして落ちる。コンクリートの地面と玄関のドアは、たぶん直角に近い。
(ムリだよ。たぶん何処にも届かない)わたしは思うが雨蛙は飛び続ける。
「どうして?」と聞くと「何が?」
雨蛙は上の空だ。飛ぶことに集中している。
「どうして飛ぶの?」「だから、飛びたいんだって」
――衝動。わたしの中の衝動は、いつ何処に行ったんだろう。
わたしは、雨蛙が飛び続けるのをずっと見ていた。
空が曇ってきて雨が降り出すまで。

雨蛙と会ってから毎日雨が降っている
稲刈りができず田んぼを持っている家は困っているようだ
もちろん彼に悪気はないだろう  今日もどこかで、たぶん飛んでいる


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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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