はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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ペンキ塗りは計画的に

夫と一緒に何かの作業をすると、性格の違いが顕著に表れる。
週末、ウッドデッキのメンテナンスでペンキ塗りをした。
「何処から塗ったらいい?」とわたし。
「じゃ、そっちの端から」と夫。
ふたり黙々と端からペンキを塗り始めた。しばらくして。
「あー、そこ塗っちゃったら、部屋に入れなくなるじゃん」
夫に言われ気づく。ひとつだけリビングに出入りできるようにと開けておいた場所の半分まで、わたしは塗ってしまっていた。
「あー、ほんとだ。ははは。まいっか。ここから入れなくてもさ。玄関から入ればいいじゃん」
わたしは、そのまま塗り続けた。夫が先に塗っていた場所まで到達し、出入り口の方から塗り始めた。
「あのさー」と夫に言われまた気づく。周りはペンキの海で、わたしは塗っていない孤島にひとり立っていた。
「あれ?」わたしは海を飛び越えまだ塗っていない陸に着地した。陸はまだ近く、問題はなかった。
「君には計画性ってものがないの? 出入り口に向かって塗れば、そこから部屋に逃げられたものを」
わたしは陸から手を伸ばし孤島を塗り終えた。
「終わりよければ、すべてよしさ」
「普通は考えて塗るでしょう」夫は呆れ顔だ。
しかし、わたしだって何も考えずに塗ってたわけじゃないのだ。
「あーあ、嫌だなぁ。先のことばっかり考えてる人生なんて」
「だから、ペンキ塗りの話だって!」
ペンキを塗り終え、紅茶と買ってきたサンドイッチでお昼を食べた。夫はミルクたっぷりミルクティー。わたしはストレート。
性格も紅茶の好みも違うが、ふたり一緒にウッドデッキにペンキを塗り、ふたり一緒にお昼を食べた。ふたりの方がペンキは早く塗れるし、ふたりの方が簡単なお昼もずっと美味しく食べられる。
もちろんケンカになることも、ないわけじゃないけれど。

その日コゲラ(小さめのキツツキ)が家をつつきに来ました
「コゲラだ! かわいい」とわたし
「あいつ、人んちをつつきやがって」と夫
娘は冷静に言いました 「あそこの外板に虫がいるのかな?」

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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