はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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スタジアムのなかのドラマ

夫と、声を潜めて、話していた。
「この親子、どうなってんの?」「うん。不思議な光景だね」
久しぶりにヴァンフォーレ甲府の応援に、スタジアムに出向いた。いつも通りキックオフぎりぎりに着き、空いている席に座ると、前に小学校2年生くらいだろうか、小さな男の子がひとり、甲府のユニフォームを着て、座っている。隣の男性は、相手チーム、柏レイソルの黄色いユニフォーム。ひとりで来たのかなぁと思っていると「ねぇ、お父さん」と、彼は柏サポーターに話しかけた。親子で、違うチームのサポーターだったのだ。
ふたりが席を外した隙に、夫とやはり声を潜めて、話す。
「お父さんが柏出身で、息子くんは山梨育ちなのかな」と、わたし。
「そう考えるのが、まあ、妥当だろうね」と、夫。
でもさ、とわたしの詮索は続いた。長く離ればなれになっていた親子の再会、とか。実は柏に暮らす親子なのだが、息子くんが何故かヴァンフォーレを愛してやまない、とか。

わたしの右隣は、男女の柏サポーターだった。夫婦だろうか。恋愛中だろうか。考えると、スタジアムじゅうの人々のドラマが、押し寄せてくる。
相手サポーターとは敵同士とは言え、同じ試合を観戦し、応援して、その時間を共有している。その連帯感に似た感覚は、悪くない。親しみさえ覚える。勝った時に限りだが。

甲府が2点リードした頃から、柏サポのお父さんは言葉少なになったが、紳士的に息子くんと会話していた。いい感じの親子だった。
考えれば逆に、わたし達夫婦のドラマは、どんな風に見えているんだろうか。
隣の柏サポーター男性の視線は、確実に「あ、奥さん2杯目の生ビール。いいなぁ。旦那も大変だな」と、語っていた。
「いや、これは、わたしが生ビールを飲むと、勝つっていうジンクスが」
視線で語られても言い訳はできず、ただただ美味しくビールを飲んだのだった。運転手の夫には申し訳ないが、夏日のスタジアムでの生ビールは、最高に美味かった。そしてもちろん、ジンクスを守り通したわたしのおかげで(笑)ヴァンフォーレ、3-0で完勝! やったー!

行きの車中から見た、富士山。ちょっとの気温の変化で、
くっきり見える日と、かすんでいる日があります。昨日はくっきり。

甲府、小瀬公園の中銀スタジアムは、暑かった!

やっぱり富士山も、応援してくれていたんだね ♪

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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