はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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『この道はいつか来た道』

町内に信号は4つしかないが、ニセアカシアの木は、いったい何本あるのだろうか。お田植えのこの季節、満開になる花である。百本は下らないだろう。千本? もっと? うーん。数の概念についていけず、推測するのをあきらめる。
いつも通る道にも、これでもかというほど咲いている。美味しい蜂蜜のもととなる花だそうだから、放っておかれているようで大切にされているのかも知れない。食べたことはないが、房ごと天麩羅にすれば、ほのかな蜜の甘みが効いた季節の味を楽しめるそうだ。

もとは『アカシア』と呼ばれていた『ニセアカシア』だが、海外から来た『アカシア』と種類が違っていたため、区別する意味で『ニセアカシア』と呼ばれることになったとか。『アカシア』の方が黄色っぽいらしい。それなら『ホワイトアカシア』とか『アカシア・ブラン』とか、いくらでも呼び方はありそうなものだけど、『偽(ニセ)』をつけられちゃった訳だ。だが日本でスタンダードなのは『ニセアカシア』の方。名前に負けず、堂々と咲いている。

北原白秋の『この道』で歌われたアカシアも『ニセアカシア』だそうだ。

♪ この道はいつか来た道 ああ そうだよ アカシアの花が咲いてる ♪

アカシアとは関係なく『この道はいつか来た道』というフレーズに、参ってしまう。ふと何かを、そして誰かを思い出す瞬間を感じ、泣きたくなる歌だ。
夕暮れ時、山々がかすんでシルエットになった散歩道。「ああ、東山魁夷の絵みたいだぁ」と思った瞬間、今はもういない魁夷が好きだった友人を思い出す。道を、歩く。単純にも思えるその行為に隠されたいくつものトラップに、人は、つまずきつつ歩いていくものなのかも知れない。
晴れた日には、家のなかに居てさえ、ニセアカシアの匂いがふわりと舞いこんでくる。『この道』のメロディと共に。

数えきれないほど咲いています。香りも強く、むせるよう。

アップで見ることはあまりありませんが、清楚な花。
『アカシア』とは『房』の意味だそうです。

背の高い木が、ほとんどですが、手が届く所まで花が咲いています。

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水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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