はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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『WOOD JOB!~神去なあなあ日常~』

本を読んでから映画を観るか、映画を観てから本を読むか。
意見が分かれるところだと思うが、わたしは「まず本、そして映画」派だ。
映画を観てしまうと原作本を読まずに終わることも多く、もったいない、という気持ちもあり、映画化に合わせ、本を読むこともある。まあ、読まなくってもいいかと思い、映画を観る場合もある。

三浦しをん『神去(かむさり)なあなあ日常』(徳間文庫)は、夫が読んだ文庫が本棚にある。だが、手に取る気になれず、スルーしていた。なので、読まなくってもいいか → 映画観ちゃおう、となり、ふらりと出かけた。
『WOOD JOB!~神去なあなあ日常~』

笑って泣いて、楽しんだ。だが、何だろう。この不完全燃焼な感覚。
主人公、勇気は、大学受験に失敗。浪人するのも面倒だし「なんとなく」手に取ったチラシを頼りに、三重県の山奥、神去村に林業修行に行く。その1年間を描いた映画だ。
不完全燃焼感は、この「なんとなく」が、最初から最後まで、勇気から離れなかったせいかも知れない。
「なんとなく」高校卒業したけどやりたいこともなく「なんとなく」林業修行を始め「なんとなく」仕事を覚え「なんとなく」1年が過ぎた。そんな感じ。

映画館を出て、歩きながら考えた。
この「なんとなく」と「なあなあ」は繋がってるのかな、と。タイトルにもなっている「なあなあ」は、神去村の方言で「ゆっくり行こう」「まあ、落ち着いて」などの様々な意味を持つ。スローライフにも通じる鍵になる言葉だ。映画では、そこを前面に出し過ぎて、林業の過酷さも、必死さも、コメディのなかに閉じ込めて、きっちり蓋をしてしまった感が、あった。多分そこが意識下で気になって、不完全燃焼を起こしてしまったのだろう。

でもさ。現実って、実は不完全燃焼なものなのかも、と疑問を持つ。
「なんとなく」働き「なんとなく」恋をし「なんとなく」歳をとるような生き方だって、そう悪くはないんじゃないか。
「わたしだって、なんとなく、生きてるよなぁ」自分をも、振り返る。
「うーむ。やっぱ、読むか」本は、2年後を描いた続編も、発売中だそうだ。

続編は『神去なあなあ夜話』です。

ちょうど、我が家の隣の林で、伐採をしていました。

映画に出てきたように、倒す方にまず、くさび形に切り口を入れ、
反対側から切っていき、少し切り残してそこを蝶つがいにし、
くさびを入れて叩き、切り口を広げ、倒してあります。
ギザギザになっているところが、切り残した蝶つがい部分です。

新しく植えた苗には、ピンクのリボンが結んでありました。
きちんと根付くまで、大切に育てるためです。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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