はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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ひとりひとりの中の宇宙について

「山の稜線は紅葉が始まってるよ」
夫の言葉に誘われて、八ヶ岳高原大橋まで八ヶ岳を見に行った。ドライブ日和の土曜日だったこともあり大勢の人が来て、のんびりと富士山や南アルプスの山々、八ヶ岳を眺めていた。望遠付きの一眼レフを構える人も多く、雲が形を変えて流れていく様は、カメラマンへのサービスのようにさえ思えた。
「気持ちいいなぁ」夫はカメラを構える前にゆっくりと八ヶ岳を眺めた。
「うん。気持ちいい。綺麗だねぇ」とわたしはすぐにケータイで写真を撮り、何枚か撮って鞄にしまい、夫と一緒に八ヶ岳を眺めた。
毎日見ている八ヶ岳だが、少し近づくと表情はまったく違う。
 
そのとき隣にいた若いカップルの女性が笑って話しながら、八ヶ岳にカメラを向ける姿が見えた。ふっとこのふたりは何を思っているのだろうと考えた。
そして、ここにいるひとりひとりがその中に持っている宇宙について考えた。
わたしは八ヶ岳を見ながら、この日友人達が京都でやっているイベントのことを考えていた。準備にも充分時間をかけ熱意も傾けていたし成功するだろうとは思っていたが、うまくいきますようにと思わずにはいられなかった。
周りの人は、もちろんわたしが何を考えているか知らないし、一緒にいる夫さえ知らない。そしてわたしも夫が何を思っているのか、誰が何を思っているのかもわからない。
八ヶ岳を眺めながら、そんなひとりひとりの中にある宇宙が、不思議で素敵で、また恐くもあるんだよなと思った。
雲は流れ続けていた。夫がシャッターを切る音が聞こえた。

山は少し車を走らせるだけで形を変えます
うちから見る八ヶ岳がいちばん素敵だとわたしは思っています

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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