はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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集まってくる好きなもの

東京で、急いで食べた昼食でのこと。
会社近くの大手町から、地下道を東京駅まで歩いた。正午より少し前だったのだが、ランチを食べられる店はどこも行列ができていて、新オフィス周辺の会社&会社員の多さを目の当たりにした。
「通り道で済ませるのはムリみたいだね」と、わたし。
「オアゾの5階か6階なら、だいじょうぶかも」と、夫。
エレベーターで上がると、寿司屋と沖縄料理屋の先に、博多水炊きの店があった。「鶏そば」「親子丼」など写真入りのランチメニューがある。人も並んでいない。夫は鶏肉大好きだし、わたしも「鶏そば」の写真に魅力を感じた。

夫は親子丼。わたしは鶏そばを注文。ぶじお昼ご飯にありつけた。
しかし、鶏そばが目の前に置かれ、頭のなかを疑問符が飛び交った。
「あれ? これって、ラーメンじゃん」
つい口に出して言うと、夫が呆れたように言った。
「きみってすごいね。ラーメン食べるつもりなんかまったくなくても、ラーメン頼んじゃうんだから」
水炊き屋さんの鶏そばだから、鴨南蛮のこってりスープバージョンかなと漠然と思い描いていたのだが、まさかラーメンだったとは。
「なんか、うれしい」
思わぬところで、旧知の友に逢ったような感覚だ。手を取り合って握手したいような、あるいは思いっきりハグしあいたいような旧友。
好きなものって、こうして引き寄せられるようにして集まってくるんだよ、うんうんと感動しつつ、こってり塩味の鶏スープラーメンをすすった。

上の娘が、むかしリラックマを集めていたのを、なつかしく思いだす。
「リラックマ、大好きなんだ」
そう吹聴して回るものだから、友達からのプレゼントもお土産も、みなリラックマになった。もちろん本人は欲しいと言っているつもりはさらさらない。ただちょっとしたプレゼントには、ちょうどよかったというだけなのだろう。
「もういらないって思ってるのに、どんどん来るんだよね」
リラックマを卒業した彼女のもとにも、しばらくの間リラックマは、行列を成してやって来たっけ。

ラーメンがわたしのもとへやって来たのは、果たして偶然なのだろうか。それとも、ラーメン好きの第六感が働いて、鶏そばに心が動いたのだろうか。
いずれにせよ、好きなものは、その人のもとへ集まってくるものなのだ。

味噌、醤油、塩のなかから選べました。塩です。美味しかった!
考えればこの時点で、ラーメンだって気づいてもよかったのに。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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