はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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うちの子を見つけて

所用で東京に出た際、何年かぶりに武道館近くの『暮らしのうつわ花田』を訪ねた。千鳥ヶ渕には蓮が咲いていて、ああ、東京もそう遠い場所ではないのだなあとあらためて思う。徒歩3分のご近所さんの家と我が家でも、花の咲き具合は違う。標高と陽当たり。しかし東京と山梨で、同じ時期に咲く花もある。遠いようで近い、近いようで遠いのが、東京だ。

しかし店内に入ってすぐ、既視感に似たものが広がった。久しぶりであるその店のなかに、よく知った顔を見つけたのだ。
「あっ」声にならない声を出し、思わず微笑んだ。
前回買い求め、毎日のように朝食に使っているのと同じ皿がまだ置いてある。
「うちの子、まだがんばってるんだ」
胸に、温かなものが広がっていく。

ゆっくりと店内を歩き、小鉢を2つ買い求めた。
レジで写真を撮ってもいいかと訊ね、朝食皿の話をすると、女の子と言ってもいいほどの若い店員さんが、顔をほころばせた。
「その商品は、ほんとうに息が長いんですよ。創業以来40年扱わせていただいているんです」「40年ですか」
こちらも、笑顔になる。
40年間ここで売り続けられている皿。うちの子達の兄弟は、様々な家の様々なシーンで活躍しているのだ。高価ではない、食器洗い機に入れてもいい器。そういうモノが暮らしのなかでは、意外と重宝されるのだろう。

再会した皿に別れを告げ、夕刻の、少し涼しくなった靖国通りを気持ちよく歩いた。明日からまた、うちの子達を大切に使おう。

真ん中の白地に藍の水玉の楕円のお皿が、うちの子です。

我が家の朝ご飯でも、いつも真ん中にいます。

店内です。ぐい飲み、徳利、杯。手にとって眺めずにはいられません。

お茶椀もいろいろ。ヨーグルト用のお皿も、探したりしました。

小皿や小鉢の他、レンゲ、箸置きなどもたくさん並んでいました。

『暮らしのうつわ花田』の外観です。靖国通り沿いにあります。
2階では個展が開催されていて、1階奥は喫茶になっています。

千鳥ヶ渕のお堀は、蓮の葉がいっぱいに広がっていました。
ピンク色の花が咲いているのも、遠目にちらほら見えました。

購入したのは、この器です。黒釉。見た目より軽いです。
鍋のとり皿の他、お浸しなどの小鉢に重宝しそうです。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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