はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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研ぎ澄まされた朝に

乾いた砂が水を吸うように、様々なモノがすんなりと入ってくる朝がある。
空気抵抗を感じることなく、見るモノすべてが目に焼きつき、耳に入る音すべてを身体じゅうに感じるような、そんな研ぎ澄まされた朝。

例えば、農道の脇に落ちていた片方だけのビーチサンダル。黒地にショッキングピンクの鼻緒。細身の女性の足が似合いそうだ。
田んぼの杭にひっかかったスーパーのビニール袋。風を含み、膨らむ。車で通り過ぎる一瞬の間にも、形を変える。
いつもは目に留めることのない道路標識の文字が、頭にすっと入って来ては消える。それを繰り返していく。
オートバックスの「車検予約承ります」の旗は、9本。同じ間隔で並んでいるが、風に揺られる姿は、同じではない。
床屋のトリコロールカラーのポールは、営業時間外だからか回転していない。止まっていることに違和感を覚え、目が吸いよせられる。
駐車場では、セキレイが尾を振り、道標の上で、カワラヒワがきょろきょろと首を動かす。
神社の石造りの鳥居に彫られた狐の顔が、こちらをじっと見つめている。

そんな研ぎ澄まされた朝だから、そうだ、向日葵を見に行こうと思い立った。夫を駅まで送った帰り道、少し遠回りをするだけでいくつかの向日葵畑を見て回れる。週末から『サンフラワーフェス』が始まった。明野町がまだ村だった頃、村おこしで始められた向日葵畑は、20もの場所で順番に咲いていくように植えられているのだ。
思った通り、向日葵一輪一輪が、くっきりと見えた。いつもなら目を向けない蕾や、ハート形のような葉や、後ろ姿も楽しく眺めた。上を向いて咲く花あり、うつむいた様子の花もあり、蜜を吸う蜂やアブのかすかな重みにふっと揺れる花もあり。そんな何でもない風景がそのままの姿ですっと胸に収まった。
向日葵咲く明野で夏を迎えるのも、17回目だ。

上を向いて咲いてるなあ。でも、みんながみんなって訳じゃない。

ここの畑は、まだ五分咲きでした。

花が開く前の姿って、すっぱそうな顔(笑)と笑ったり。

蕾、個性的な形だなあ、とじっと見つめてみたり。

我が家からほど近いこちらの畑は、けっこう咲いていました。

後ろ姿の向日葵達です。
よく見ると、顔を見合わせて微笑み合ってる子がふたり。
こういう姿に気づくのも、研ぎ澄まされた朝、限定です。

後ろ姿も、意外と絵になるなあ。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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