はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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泣くことも笑うこともしっかりと受け止めて

雨の日曜日、同じく北杜市は高根町の蕎麦屋『森ぴか』にランチに行った。
安曇野に蕎麦でも食べ行きがてらドライブでもしようかと、夫とふたり話していたのだが、雨も降っているしと寝坊した上、だらだらと過ごしてしまった。
しばらく改装中だったため、なんとなく足が遠のいていた『森ぴか』だが、蕎麦の美味さとおばちゃんの威勢の良さは相変わらずで、雑然とした店内の雰囲気も、かなり広くなったにもかかわらず不思議なことに変わらない。
二人掛けの席に着くと、さっそくおばちゃんが声をかけてくれた。
「広いテーブル使いなよ。気にしなくていいから」
ふたりで、贅沢にも6人掛けのテーブルに座らせてもらった。

隣のテーブルには、若い夫婦と赤ちゃん、おじいちゃんおばあちゃんの5人。
「赤ちゃんがぐずって、お母さんはちょっと大変そう」
そう思った途端、おばちゃんが赤ちゃんに声をかけた。
「いい声出すねぇ! ほんとにいい声だ」
若い夫婦が礼を言い、その両親も笑顔になり、代わる代わる赤ちゃんをあやしている。おばちゃんも天ぷらを揚げながら、厨房の中から「いい声だねぇ。いい子だよ」と、本当に感心したという声で繰り返している。

3人の子ども達が幼かった頃、落ち着いて外食などできなかったことを思い出した。うるさくして迷惑をかけているんじゃないかと気をもみ、なかなか楽しめずにもいた。
『森ぴか』でも、わたしも夫も、たぶん他の客も、うるさいなどとは思ってはいなかったと思うが、親は気になるのだろうなとも考えていた。
だがそれは、おばちゃんの一言で逆転した。
赤ちゃんの声は決してうるさいものではなく「いい声」なのだ。

そしてどのテーブルにも蕎麦が揃った頃、赤ちゃんが楽しそうに笑い出した。
「よく笑える子は、頭がいいんだよ。動物は、笑ってるのかどうかよくわからないでしょう? 声を出して笑うのは人間だけなんだよ」
泣くことも笑うことも、あるいはすべてのことをしっかり受け止める大切さを、蕎麦一杯で、おばちゃんに教えてもらった。

天麩羅は紫蘇やつるむらさきの他、ズッキーニや大根もありました。

厨房に飾ってある大皿。天麩羅を揚げる音が、よく聞こえました。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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