はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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憧れのひとり呑み

呑み屋でひとり、ゆったりと呑むのが憧れだった。
川上弘美の小説『センセイの鞄』(平凡社)を読んで以来、主人公ツキコのように、ただ美味い肴をつまみ、静かに酒を飲む。そういうことができる女性になりたいと、ずっと思っていたのだ。
だが、独身OLのツキコと違い、家族がいるわたしには、機会が巡ってこなかった。そして今、ようやくその時を迎えた。
東京や末娘がいる埼玉に行くことが増え、用事を済ませた後は、夫や娘、友人などを誘って一杯やっていたのだが、機会が増えるにつれ、今夜はひとりでのんびり呑もうと思う夜が、向こうからそっと、歩み寄って来たのだ。
ひとりで呑んでいても、周囲の目が気になるような自意識過剰さも、年齢を重ねると共に消えていった。いつの間にか、静かな時間を、心から楽しめるようにもなっている。

しかし、ひとりで呑んで気がついた。
「あ、福島の酒だ。呑んでみよう」そう思ったのは、東日本大震災以来、夫が呑み屋では東北の日本酒を呑むようになったからだ。
「あ、穴子入り揚げ出し豆腐、美味しそう」そう思ったのも、穴子好きな義母を思い出したから。
そして、ぼんやり考えていることと言えば、子ども達や友人のことばかり。ひとりで呑んでいても、全くひとりという訳ではないのである。
こうして呑んでみて、判る。ひとりでカウンターに座っている人もみな、誰かを思い、酒を傾けているのだと。

旬の岩牡蠣と、焼き茄子の南蛮漬け。岩牡蠣、サムとも食べたなぁ。

穴子入り揚げ出し豆腐。揚げ茄子も入っていました。嬉しい。

福島の酒『壺中春(こちゅうしゅん)』美味しかったです。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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