はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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興味の行方

連休を利用して、神戸にある夫の実家に、帰省した。
滞在時間は40時間ほどだったが、夫の両親とゆっくり食事をしながらしゃべり、久しぶりに墓参りに行くこともできた。
その他愛のないおしゃべりのなかで、義母から興味深い話を聞いた。

その話は「わたしは、全然覚えていないんだけど」との前置きで始まった。
「久しぶりに甥と食事をしたんだけど、そこで、聞いたの」
義母の甥子さんは、義母より10歳ほど年下で、子どもの頃遊んでもらったことなどを、懐かしく話したという。もちろん、そのことは義母も覚えていたのだが、記憶にないという出来事は、一緒に映画に出かけたことだそうだ。
「『風と共に去りぬ』に連れて行ってもらったことに感謝してるっていうの。そこで自分の人生を変えるシーンに出会ったんだって、話してくれたのよ」
前編ラスト、スカーレットが痩せた土から根菜を掘りだすシーンを観て、子どもながらに深く感動し、いずれ土に関係する仕事に着くのだとの予感を持ったそうだ。その予感通り、その後土木工学を学び、神戸の都市計画などに携わり、生涯土木関係の仕事をして生きてきたという。
「本当に、何が出会いになるか、判らないものよね」
義母は、とても嬉しそうに話してくれた。

話を聞き、考えた。同じ映画を観ても、興味を持つ部分は人によって全く違い、そのなかで、魅力的に映ったものや、興味を持った部分を、自分のなかに取り入れていくものなんだなと。

そう言えば、神戸までの長距離移動で電車のなか、誰かがブランドバッグのことなど話しているのが聞こえても、うるさいなぁと思うだけだが、美味しいカルパッチョのレシピなどを話していたら、自然と聞き耳を立てる。最近可愛がっているアマガエルの生態について、語っていたら「ちょっと、周りの人、静かにして!」と言いたくなる。(そんな話をしている人はいなかったが)
そうして、それぞれが興味のある情報を自然と選別し、より多く取り入れていく。それはごくごく普通のことであるのだが、義母の話を聞いた途端、ものすごく不思議な、そして大切なことに思えてきた。

夫の実家には、大きな蝉の抜け殻がたくさんありました。
「こんなに大きいの、明野じゃ見ないよねぇ」「ほんと、大きい!」

こちらは我が家のウッドデッキに滞在していたアマガエル、けろじ。
だいじそうに、ダンゴムシを抱えていました。
電車の中で、アマガエルとダンゴムシの関係を語っている人は、
残念ながら、いませんでした。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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