はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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相手を思いやるために

「いやいやいや。久しぶりの登場ですね」と、右手くん。
「いやいやいや。まったくもって、久しぶり」と、左手くん。
右手くんが frozen shoulder(五十肩)を患い、完治してからもう2年半が経った。毎日のように何かをつぶやいていた右手くんと左手くんも、最近では穏やかな落ち着いた日々を送っている。
「ところで、左手くん。傷めた肘の具合はどう?」
「少しずつ回復に向かっているみたい。きみがいつも重い方の薪を運んでくれているおかげだよ。ありがとう」
「いやあ、もとはと言えば、年末きみにだけ重い荷物を運ばせたのが悪かった訳だしさ。おたがいさまだよ」
「あのときは、だいじょうぶだと思ったんだけどなあ」
「無理は禁物だね」
「きみの思いやりには、いつも感謝してる。それでちょっと無理しちゃって」
「うん。そうだと思ったよ。でもさ、相手を思いやるために、とっても大切なこと、知ってる?」
「何だろう?」
「それは、自分をいちばんに思いやることだよ」
「自分を? 思いやるの?」
「左手くんは、今回、僕を思いやって無理をして肘を傷めたんだよね。それはうれしいけど、僕にはきみが元気でいてくれることの方が大切なんだ」
「うれしいなあ。ありがとう、右手くん。もう無理はしないよ。それに、結果的にきみに負担をかけちゃうことになっちゃったし」
「まあ、それもあるけど、そういうことだけじゃなくってさ」
「もちろん、判ってる」
左手くんと右手くんは、相変わらず仲がいい。まあ、切っても切れない間柄だし、たがいの立ち位置も理解しやすいのだろう。

自分を思いやり、また相手を思いやる。これはなかなか難しい。「人」という字は支えあっているようにも見えるが、片方だけが支えていてもう片方は寄りかかっているだけというようにも見える。思いやりを持って接していた相手に頼られすぎて、ポキリと折れてしまう人も多かろうと考えてみる。人は弱い。頼れる相手には頼りたくなるし、甘えられる相手には甘えたくなる。そして自分が相手に寄りかかり支えられていることなど、すぐに忘れてしまう。
パソコンで打つゴシック体の「人」という字はいい。右も左もまったくたがわず、支えあっている。

人がまっすぐ前を向き歩く姿も「人」という字に似ているんですね。
パリはシャンゼリゼ通りにある、シャルル・ド・ゴールさんの像。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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