はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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トマトソースのなかの宇宙

十代の頃、パスタのトマトソースを生のトマトから作ることに憧れていた。
すべてを手作りするということに、こだわっていたのだ。だが満足のいく味に仕上がったことは、一度としてなかった。

今はそんな憧れもこだわりも落ち着き、トマトの水煮缶で簡単にトマトソースを作っている。オリーブオイルでニンニクを炒め、パスタの具材を炒めたあと、水煮缶を入れて煮詰め、塩と胡椒。塩は水煮缶1缶に対し、小さじ1入れている。この時点で味見をすると、何か物足りない。トマトソースのなかのトマトもニンニクも野菜も塩も胡椒も、バラバラでまとまりがないような印象。はっきりしない味だ。星ができあがる前の宇宙のよう、とでも言うのだろうか。混沌とした感じなのだ。
ハーブやスパイスを加えたり、塩を減らしてコンソメスープで煮てみたり、試行錯誤はしてみたが、トマトソースのなかの宇宙は混沌としたままだった。
そうして最後にたどり着いた技は、ケチャップだった。ほんの少しのケチャップを加えることで、全体の味が驚くほどまとまりを持つのだ。トマトソースのなかの混沌は、ケチャップ一つでしっかりまとまり、輝く星となった。それが、我が家のトマトソースの味である。

十代の頃のわたしに言ったら、ふんっと鼻で笑われそうだ。
まあ、笑いたければ、笑えばいいさ。若さとは、ケチャップやマヨネーズの偉大さを軽んじることなのだ。

海老を使ったペスカトーレ。ペスカトーレはイタリア語で「漁師」
漁師達が売れ残りの雑魚などをトマトソースで煮込んだ料理のことで、
日本の海辺で漁師さん達が煮る、あら汁のようなものだとか。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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