はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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栞を起こす瞬間

久しぶりにゆっくりと本屋を散策した。そして、これまたずいぶん久しぶりに新刊を購入した。このところ、図書館率が高かった上、持ち運びに便利な文庫を買うことが多かった。
買ったのは、宮部みゆきの『ソロモンの偽証』(新潮社)。分厚い上に三部作。ゆっくりと楽しめそうだ。
新刊を手にする楽しみのひとつに、栞がある。本に付いている紐栞のことだ。誰もまだ読んでいないという証拠のように、本の中に丸まっている。その様子が眠っているように見えるのはわたしだけだろうか。本を読み始め、眠っていた栞を起こし自分のページに挟むその瞬間、本はようやく自分の物になる。そんな感覚が好きなのだ。
 
宮部みゆきは、東京でひとり暮らしをしている息子が大好きな作家だ。彼も買っただろうか。昔は、彼が買った新刊をよく貸してもらった。彼に借りる本の栞は、いつも丸まったままだ。栞を起こす楽しみも一緒に借りられるのが、嬉しかった。
「栞、使わないの?」と聞いたことがある。なんと返事は。
「読み始めたら、一気に読んじゃうから必要ない」
小さな頃から本の虫だったが、その集中力には驚かされる。
しかし、たまにメールすると、読書で培ったボキャブラリーを披露する気持ちはまったくないことがわかる。
「元気にしてる?」なんと返事は。「普通」
「そうですよね。普通ですよね。あー普通でよかった」
その時点でくじけ、母は返事を返す気力を無くすのである。

まだ1巻しか買っていません。
2・3巻は図書館で予約しようかなと夫に言うと信じられんと呆れてました。
買い揃える楽しみと、節約の主婦感覚。どっちを取るか悩むところ。
でも図書館で予約検索したら6人待ち。さすがに待てないなぁ。
写真の文庫『人質カノン』は、わたし的には帯インパクト大賞です。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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