はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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倒れ続けていくドミノ

塩尻で帳尻が合った。言葉尻で遊び、目尻を下げて喜んでいる訳ではない。

お盆の帰省にトラブルは付き物だが、出発地点韮崎駅に着くと中央線は事故の影響で上下線共に運休状態。そうなると1か月前に取った指定は、すべてがオジャン。中央線の先、塩尻から乗るはずの特急しなのも、名古屋から乗るはずの新幹線も、ドミノ倒しのように予定は崩れ、すべて払い戻しした。
だが中央高速をフィットで飛ばし、塩尻に着いたのは予定していた特急しなの出発5分前。慌てて切符を買い直し、ホームに走った。運良く特急しなのも5分ほど遅れていたのだ。夫の実家には予定通りの時間に到着できた。

恩田陸の小説に『ドミノ』(角川書店)がある。
舞台は真夏の東京駅。27人と1匹の登場人物は、それぞれに自覚はなくとも、ひとりとして欠かすことはできない運命のドミノのピース。ドミノが倒れる瞬間を見ているような、スピード感あふれる痛快パニックコメディだ。

「もしもあの時、右ではなく左に曲がっていたら?」
そう思ったことは、ないだろうか。電車が遅れ、到着が遅れること自体はたいしたことじゃないかもしれない。だが、東京経由で行くか、塩尻まで車で行くか、それによってドミノが倒れる道筋が違ってきたら? 更にそれによって、誰かのドミノが倒れる方向まで違ってきたとしたら? ふと考える瞬間が、これまでにも何度もあった。しかし、行く手にいくつもの道が広がっていようと、歩くことのできる道はたったひとつだ。ときにこうして振り返り、分岐点で倒れたピースを眺めたりしつつ、前に進んでいくしかない。今この瞬間も、運命のドミノは倒れ続けていく。

帰りは東京経由。塩尻まで中央線に乗りフィットを取りに行きました。
鈍行に乗り換えた上諏訪駅には、ホームに足湯がありました。
時間がなくて浸かれなかったけど、電車遅延で知ったスポットです。

京都の友人に連れて行ってもらった『香本舗・松榮堂』の香り袋とお香。
「車に乗せてもいいのよ」と聞き、購入した香り袋は「上品」という名。
ふたりで同じものを買いました。わたし達にぴったり?
今、フィットは上品な香り。運転も上品に出来そう。
起こるかもしれない事故も、香り効果で、ドミノが違う方向に倒れ、
防げるかもと考えたりしました。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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