はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
[442]  [441]  [440]  [439]  [438]  [437]  [436]  [435]  [434]  [433]  [432

珈琲を飲まない珈琲タイムがくれたもの

珈琲が好きになる前から、珈琲屋に憧れていた。
常連と呼ばれる人達がマスターまたは珈琲屋の親父と気軽にしゃべったり、知らない人同士が出会ったり、待ち合わせに使われたり、喧嘩するカップルがいたり、いつも同じ席で本を開く無口な人がいたり。今思えばだが、人と人との様々なドラマが生まれる場所としての独特の雰囲気に憧れていたのだろう。

10代の頃、いくつかの喫茶店でウエイトレスをした。立ちっぱなしの肉体労働ではあったが、楽しかった。珈琲カップを「カシャン」ではなく「コトン」と優しい音を立て置くことや、大きくもなく小さくもない声で「かしこまりました」と言うことにも、細心の注意を払い、自分が納得する仕事ができるようにベストを尽くした。そんな小さな一つ一つが楽しく、今、毎日の生活のなかの何でもない小さなことを楽しんでいる自分の原点が、その珈琲を飲まなかった珈琲タイムにあるようにも思える。

女は愛嬌で生きるタイプではないが、笑顔も珈琲屋で自然と覚えた。
母親に似ず、女は愛嬌で生きるタイプの上の娘が、『ヒッチハイク山梨!!』に参加した感想を facebook にかいていた。
「よく笑顔がいいねって褒められるけど、それは周りの人が笑顔にしてくれるからです」ドッグカフェでバイト中の彼女は、わたしが珈琲屋で過ごしたような時間を今、更にアクティブに過ごしているようだ。

ずいぶんと久しぶりに珈琲をドリップし、ひとり庭で熱い珈琲を飲んだ。
キイロスズメバチに一時に8カ所刺された経験を持ち珈琲の焙煎もできる日本野鳥の会所属の陶芸家である上に山菜にも蛇にも詳しいご近所『蜂乃屋』さんが焙煎した珈琲を、安価で譲ってもらったものだ。
コトンとも音がしないこんな静かな時間に流れ着くなどとは、あの頃の自分には、想像もつかなかっただろう。いや。まだ漂流の途中なのかもしれないが。

手書きの字もアートっぽい。さすが『蜂乃屋』さん。

煎りたては、やっぱりふくらむなぁ。気持ちもちょっとふくらみます。

「あー、酸味が効いてて美味しい」夏の間庭に出しているベンチで。
といっても、酒瓶のケース2つの上に板を渡しただけ。
  
夫がいない平日は洗濯物も少なく、昨日はワンピースだけ洗いました。
ゆらゆら揺れるワンピースを眺めつつの、のんびり珈琲タイムでした。

拍手

03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
ご意見などのメールはこちらに midukisae☆gmail.com
(☆を@に変えてください)
Template by repe