はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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『嫌われる勇気』

ベストセラー『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)を、夫のkindle版で読んだ。彼に薦められたのだ。自分では手に取らない本を読む機会に恵まれたとき、本との出会いの不思議、そして人と人との繋がりの不思議を感じる。

この本は、副題に『自己啓発の源流「アドラー」の教え』とある。
心理学者アルフレッド・アドラーの思想を、判りやすく対話式にまとめたものだ。アドラー心理学を実践し、世界は何処までもシンプルで人は今日からでも幸せになれると説く「哲人」と、その考え方はあり得ないと反論する、世界の矛盾と混沌と不幸を抱えた悩み多き「青年」が、身近なことを例に挙げつつ、アドラーの考えに深く切り込んでいく。以下本文から。

 さて、彼女の悩みは赤面症でした。人前に出ると赤面してしまう、どうしてもこの赤面症を治したい、といいます。そこでわたしは聞きました。
「もしもその赤面症が治ったら、あなたは何をしたいですか?」
すると彼女は、お付き合いしたい男性がいる、と教えてくれました。密かに思いを寄せつつも、まだ気持ちを打ち明けられない男性がいる。赤面症が治った暁には、その彼に告白してお付き合いをしたいのだ、と。
 ひゅう! いいですね。なんとも女学生らしい相談じゃありませんか。意中の彼に告白するには、まず赤面症を治さなきゃいけない。
 はたして、ほんとうにそうでしょうか? わたしの見立ては違います。どうして彼女は赤面症になったのか。どうして赤面症は治らないのか。それは彼女自身が「赤面症を必要としている」からです。
 いやいや、なにをおっしゃいますか。治してくれといっているのでしょう?
 彼女にとって、いちばん怖ろしいこと、いちばん避けたいことはなんだと思いますか?もちろん、その彼に振られてしまうことです。失恋によって「わたし」の存在や可能性をすべて否定されることです。思春期の失恋には、そうした側面が強くありますからね。ところが、赤面症を持っているかぎり、彼女は「わたしが彼とお付き合いできないのは、この赤面症があるからだ」と考えることができます。告白の勇気を振り絞らずに済むし、たとえ振られようと自分を納得させることができる。そして最終的には「もしも赤面症が治ったらわたしだって」と可能性のなかに生きることができるのです。
 じゃあ、告白できずにいる自分への言い訳として、あるいは彼から振られたときの保険として、赤面症をこしらえてると?

哲人は説く。原因論で言えば、彼女は赤面症だから彼に告白できない。目的論で言えば、彼に告白することから逃げるという目的があって赤面症になっている。すべてを目的論で捉えていけば「今の自分」を受け入れる勇気が必要だと、おのずと判ってくるはずだと。

人は怒りを捏造するとか、自慢する人は劣等感を持っているとか、特別でありたい人が進む2つの道とか、おもしろいことがたくさんかいてあったけど、
いちばん共感したのは、過去はもう過ぎ去ったこととして、そして未来がどうであれ「今、ここ」でやるべきことをやればいい、ってことかな。
そう考えれば、世界は確かにシンプルだ。

哲学者、岸見一郎、古賀史健の共著です。
はりねずみの塩胡椒入れ、ソルト&ペッパーも興味津々の模様。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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