はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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『ハルフウェイ』

以前映画館で観た映画『ハルフウェイ』を、DVDで観た。
上映された頃、北川悦吏子脚本・監督で、岩井俊二がプロデュースしたと聞き、東京に出掛けた際に渋谷の小さな映画館へ観に行ったのだ。なんと観客は、わたしと、OL風の女性が二人のみ。3人貸し切りという映画みたいなシチュエーションだったが、心に残るというよりは、瞼の裏に残る、ワンシーンワンシーンが、切なく美しい映画だった。

北海道の高校に通うヒロ(北乃きい)とシュウ(岡田将生)の淡い恋のストーリー。二人は3年生。ヒロの片思いを知ったシュウが告白し、つきあい始めるが、地元で進学するヒロは、シュウが早稲田を受けることを知り、傷つく。自分を置いて東京に行くのかと、怒る。そんな二人の卒業までを描いた、ただそれだけ? と言えば、ただそれだけの映画だ。
だが、ふたりで歩く川沿いの道からは、川に映る空に雲が流れていき、悩みながらも理科室でシャボン玉を吹く女子達の笑顔は、シャボン玉のように儚げで、テニスコートの審判台に上ってふざけあう二人のシルエットや、仲直りした雨上がりの校庭にできた水たまりに映る夕焼けや、落ち葉だらけの土手に寝転んで作った落ち葉の顔や、魅きつけられて、微笑みつつも、胸が苦しくなるようなシーンで、いっぱいだ。
タイトルは、二人で勉強をするシーンで、ヒロが英語の問題を出す。
「途中」シュウは判らず、ヒロが答えを言った。「ハルフウェイ」
正解は「halfway ハーフウェイ」なのだが、二人は「ハルフウェイ」の方がかっこいいねと言い合い、そう覚える。
二人の物語の途中を描いた、大好きな映画の一つである。

翌日、車で走っていて不意に「そうだ。ここも、途中なんだ」と思い、前と後ろを、交互に見た。どちらにも道が伸びていた。
そして「うん。今だって、まだ途中なんだ」と思えた。
もし道が突き当ったら、そこが終点か。いや、谷川俊太郎が詩にかいていた。
「みちのおわったところでふりかえれば みちはそこからはじまっています」

向かっていた南側は、薄く暮れかかっているようだったのに、

北側を向くと、明るくて驚きました。太陽が南にあるからかな?

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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