はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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『イニシエーション・ラブ』

乾くるみの恋愛小説『イニシエーション・ラブ』(文春文庫)を、読んだ。
「最後の2行は、決して先に読まないでください」という注意書きに、まず注目。恋愛小説だが、ミステリーだという意見もあるとも聞き、どちらとも好きなわたしには、ずっと気になる存在だった。10年前に刊行された小説だが、ここまで読まずにきたのは、多分表紙の「若者の恋」色の強さからだと思う。

読み始めてみれば、時代設定は1986~7年。章のタイトルも、その頃の流行歌「木綿のハンカチーフ」「ルビーの指輪」などで構成され、それを集めたA面とB面とに分かれていてレコードの時代を懐かしく思い出させてくれた。

合コンで知り合った大学生、鈴木夕樹と歯科衛生士、成岡繭子。二人は、ごく自然に恋に落ちていく。A面は、本当に普通のラブストーリーを楽しめた。
だがB面、遠距離恋愛の二人に、胸を傷めることも多かった。わたし的には、これは恋愛小説だと言いたいが、ラスト2行に仕掛けられた罠には最後まで気づけなかった。ミステリーだと言われれば、否定はできない。その仕掛けは、読んで知るべきものなのでかかないが、テーマは、大人になる過程での恋。
以下本文、鈴木に恋した美弥子のセリフから。

「そう。子供から大人になるための儀式。私たちの恋愛なんてそんなもんだよって、彼は別れ際に私にそう言ったの。初めての恋愛を経験したときには誰でも、この愛は絶対だって思い込む。絶対って言葉を使っちゃう。でも人間には、この世界には、絶対なんてことはないんだよって、いつかわかるときがくる。それがわかるようになって初めて大人になるっていうのかな。それをわからせてくれる恋愛のことを、彼はイニシエーションって言葉で表現してたの」

うーん。大人になるのって、難しいなぁ。

いただいたスノーマンクッキーと紅茶で、読書タイム。
でも、コージーミステリーだと高をくくっていると、やられます。
けっこうヘビーで、お酒飲みたくなるストーリーです。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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