はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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梅雨明けに生まれた蝉

朝、庭の石の上で羽化したばかりの蝉を見つけた。
梅雨明けと共に生まれるという『ニイニイゼミ』だ。土だらけの抜け殻が特徴的なその小型の蝉は、透明感が残る頼りなげな羽根がしっかりとするまで待つかのように、抜け殻の上でじっと動かずにいる。そっとしておくと、殻を置き去りにし、夕方にはいなくなっていた。

子どもの頃、蝉が恐かった。大きな声で鳴き、バタバタ音を立てて飛ぶ大きめの昆虫。飛べるということは、空を切り何処へでも自由に飛び、いつ自分のところに向かって来るかわからない。それが恐怖であると共に、薄い羽根を接触した時に傷つけてしまうのではないかと、それもまた恐怖だった。蝉に敵意があるとは思えないが、とにかく飛んで来て欲しくなかった。
事件があったのは高校の時だった。家族は何処に行ったのか誰もいない。そんな夜に限って、家の中に蝉が入ってきたのだ。大きな蝉だったように思うが大きく感じただけだったのかもしれない。それが蛍光灯を吊るしている紐にとまり、耳をふさぎたくなるほどの大きな声で鳴き始めた。
結局わたしはどうすることもできず、蝉に怯えたまま、まんじりともせず一晩過ごした。翌日学校から戻ると、蝉は畳の上で死んでいた。

何故あんなにも、蝉などが恐かったのか今ではわからない。幽霊などの類も以前より恐く感じなくなった。歳をとり子どもを育て、神経もずいぶんと太くなったのだろう。経験を積んだがために、想像力も減退しているのかもしれない。恐いシーンを想像する前に、まあ、だいじょうぶだろうと思うようになってしまった。
「想像力、ちょっと鍛えた方がいいかも」
梅雨明けしたというがすっきりしない空を見上げ、雲の向こうの青空と、飛んで行った『ニイニイゼミ』のその後を想像してみた。

木の幹にとまっていても見つからないほどにジミーな蝉くんです。
これは幹を真似た擬態だそうで、身を守るためのジミーさだとか。

土をかぶった抜け殻を見れば一目瞭然『ニイニイゼミ』だとわかります。

咲いてはすぐに散っていくハマナスは、蝉の短命を連想させますね。
食事中の『フミキリムシ』と。もとい『キイロトラカミキリ』が本名です。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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