はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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笠雲をかぶった富士山

朝7時過ぎ。夫を韮崎駅へと送る車中、少し霞んだ富士山が見えた。
笠をかぶっている。深まる秋の冷たい朝の空気に似合う、くすんだ空色の富士山のてっぺんに、そこから風に流され横に外れていったのだろう。三角が広がっていく途中、というような形の雲が見えた。
「綺麗だねえ」運転する夫と共に、眺める。
韮崎駅までは、富士山に向かって走るので、ゆっくりと眺められるのだ。
いつでも見られる場所に住んでいても、富士山が見えるといいことがあったような気分になるのは何故だろう。

帰宅して、空の図鑑とも言える『空の名前』光琳社出版を開いた。
山頂にかかる三角の山形の雲は「笠雲」
それが流れていくと「つるし雲」とも呼ばれるらしい。
そこで、ふと目を留めたのは「風の伯爵夫人」という名だった。
イタリアのシシリー島の人々は、エトナ山の山頂付近にできる笠雲やつるし雲を「風の伯爵夫人」と呼んでいます、とある。
江戸の頃、入道雲を「坂東太郎」と呼んだそうだが、お国が変わっても人に例えた名がつけられていたとは。

山にかかる笠雲やつるし雲は、強風を告げる。
『空の名前』には、そうかかれていた。昨日も例外ではなく、強い木枯らしが吹き、木々の葉をずいぶんと散らしていった。
イタリアでは「伯爵夫人」と言えば、風を吹き荒らし通り過ぎるような女性が多かったのだろうかと、揺れる林の木々を眺め、想像を膨らませたのだった。

東山魁夷の絵のような稜線。ファンタジックな雰囲気でした。
右上の足跡のような雲が、イメージを広げていきます。

韮崎駅方面へ向かう農道。稲刈りもすっかり終わりましたねえ。
帰り道、ちらりと見ると、雲はすっかり散らばっていました。

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水月さえ
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女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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