はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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電池が切れたスケール

騙し騙し使っていた。
毎日、珈琲豆を量るスケールの電池が、失くなりかけていたのだ。
ボタン電池なので買ってこなくてはならず、外して買いにいっても、小さなものだし忘れてしまうことが容易に予想できる。そのうえ、電池自体が小さいのでしょうがないことだが、電池の種類である数字の文字が小さい。十年以上になる老眼を、また騙し騙しコンタクトレンズを変えずに使っているわたしには、読みとることさえもが簡単ではないのだ。

スケールには「8888」の文字がスタート時点で表示される。そのあとすぐに「Lo」と表示されるのは「電池が失くなりかけていますよ」という意味。
「面倒くさいなあ」
真意はまあ、ただそれだけのことなのだが、何故に「8888」は表示できて、重さを量れないのかという意義を込めて、ふたたび三たび「ON」ボタンを押す。すると「しょうがないなあ」といった感じで「0」の表示が出る。
「最後の力を振り絞って、量りますよ」
「そうだ。よしよし。がんばれ!」
そんな会話をスケールと交わす日々だった。が、その電池もついに力尽き、何も表示することができなくなった。

そういえば、キッチンタイマーも表示をあきらめ、ちかちかと力なき光を発している。スケールと同じく、あれば便利だがなくてもなんとかなるものの類だ。そうそう、リビングに飾った陶器の時計も、針を止めたままだった。
それもこれも、わたしのズボラさゆえに、放置されているのだ。
「ごめんねえ」
スケールとキッチンタイマー、陶器の時計。すべて電池を入れ替えた。
やってしまえば、なんともないことなのだが、面倒だなと放っておいていることのなんと多いことか。
新しい数字や時間が表示されると、やはり気持ちがいい。まるで、珈琲豆や時間や今吸い込んだ空気までもが新しくなったようにすっきりとしたのだった。

このときばかりは、脇役ではなく中心にいるスケールさんです。
「最後まで電池を使い切るのは、エコとも言えるよねえ」と、わたし。
「エコのためにやってるとは、到底思えませんでしたよ」と、スケールさん。

夫と飲む二人分の珈琲は、だいたい32gくらい。
スケールでわざわざ量っておいて、くらいって。と自分でもちょっと呆れる。
タニタのこのスケールも、年季が入って来たなあ。

美味しい珈琲が飲めるのも、スケールやドリッパーやヤカンたちのおかげ。
新入りのはりねずみの布巾に、そう話してやりました。

リビング西側の窓に置いた、陶器の時計。イタリアの海だそうです。
キッチンタイマーさんは、またの機会に。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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