はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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夜明けの影絵

冬の夜明け、葉を落とした木々は影絵のようで美しい。
毎朝、見とれつつフィットにエンジンをかけ、娘を駅まで送る。その途中で朝日が顔を出す。毎日の繰り返しの中にも、キラリと光るものに出会うことがある。たとえ一瞬だけでもハッとさせられたり、嬉しくなったり、幸せ感じたり。毎朝見る木々の影絵も、見るたびにハッとさせられる。見るたびに胸の中に澄んだ風が吹いていく。

たとえば朝食の目玉焼き一つ取ってもそうだ。白身は柔らかく固まっていて黄身はとろり。満足のいく出来栄えだとちょっと嬉しくなる。
たとえば、運転中。道を譲った際、相手の女性が、にこやかに頭を下げてくれた時にも。たとえば、本屋で。シックで素敵な装丁の本に出会った時にも。たとえば、パソコンを開いて。久しく会っていなかった友人から元気そうなメールが届いた時にも。たとえば、風呂上りに。セーターの前と後ろを間違えないで着られた時にも。(何故かよく間違える)たとえば、夕食で。娘が「肉じゃがってほんとに美味しいね!」とおかわりした時にも。そして毎日変わらず、よく冷えたビールを飲む時にも。

何でもない毎日の中にも、小さな喜びは散りばめられている。見過ごしがちな小さな小さな出来事を一つ一つ心に留めて暮らしていけたら、何も特別なことなどしなくても、けっこうハッピーに暮らしていけるんじゃないかな。
夜明けの影絵に一日が始まる瞬間、わたしは少しずつ冬が好きになっていくのを感じつつ、凍った空気と共にその風景を日々胸に刻む。

写真を撮っているうちに、空はどんどん明るくなりました。
ヒヨドリが一羽、飛び立って行きました。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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