はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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記憶改ざんの不思議

記憶というのは不思議なものだ。
幼い頃の記憶が、確かに覚えているものなのか、写真を見たり親兄弟の話を聞いたりして作られた記憶なのか、わからないということは、誰にでもあることだと思う。それはしかし、大人になってもあることなのだろうか。
オーストラリアから娘が帰ってきて、ようやく家族4人が揃いすき焼きをした。すき焼きの時まず話題に上がるのは、前回いつすき焼きをしたかということである。
「イザベルが帰る時に、すき焼きしたよね」と、上の娘。
昨年2月に2週間ステイして行ったパリジェンヌ、イザベル。
「うん。それからしたっけ?」と、わたし。
「した気がする」と、末娘。「したね」と、夫。
しかし、誰もそれがいつなのか、誰を招いてすき焼きをしたのかなど、思い出せぬままだった。
「ん?」と、夫が疑問の声を上げた。
「お母さん、イザベルとのすき焼き、いなかったよね?」
「おー、確かにいなかった」
そうなのだ。わたしはその夜、骨折手術で入院していて、イザベルすき焼きさよならパーティに参加できなかったのだ。折しもわたしの誕生日の夜だった。
しかし1年が過ぎ、わたしの記憶は改ざんされていた。去年の誕生日、イザベルとの別れを惜しんですき焼きをしたシーンが、ありありと思いだせる。あとからいろいろ聞き、イザベルはこう言ったとか、こういう表情をしたとか、そのすべてがわたしの記憶となったのだ。事実だけが本当じゃなくてもいいんじゃないか。イザベルとのすき焼きの記憶はわたしに問いかける。笑顔のイザベルの記憶と共に。

神戸出身の夫が味付けするすき焼きは、割りしたは使いません。
肉をじゅうっと焼き、砂糖や醤油を回しかけます。
ダイナミックさが命のすき焼き。焼きって言うくらいだから焼かなくちゃね。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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