はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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『しずく』

西加奈子の短編集『しずく』(光文社文庫)を、読んだ。
「女ふたり」の物語が、6編収められている。
『ランドセル』は、大人になって偶然再会した小学校の同級生ふたり。『灰皿』は、年老いた大家と若く破天荒な借主。『木蓮』は、恋人の娘と彼女を預かる女性。『影』は、失恋旅行をする女と地元に住む嘘つき少女。『しずく』は、恋人がそれぞれ飼っていた雌猫二匹。『シャワーキャップ』は、これから同棲を始める娘とその母親。噛み合わない「女ふたり」が噛み合わないまま、たがいを受け入れていくさまを描いている。以下『シャワーキャップ』より。

母が、歌を歌っている。「のんちゃん」そう私を呼び、私のために泣き、私を、恐ろしいほどに愛している、母がいる。どれほど頼りなくても、情けなくても、母は、全力で、私の「母」だった。母のことを子供のようだと思っていた私は、誰あろう、その母から生まれてきたのだ。その事実が、どれほど私を慰め、そして勇気づけたか。
大丈夫、間違えても、山手線はぐるっと一周するんやろ?
いつもそうだ。母は、思いもかけない言葉で、私を安心させる。彼のことは、何も解決していないし、三十の私の行く末も、分からない。でも、母の「大丈夫」を聞くと、結局私は、いつだって大丈夫なのだ。山手線が一周するように、はは、私は、大丈夫だ。

苦手だけれど、何処か魅かれる。そういう相手っているよね。それで、苦手とも何とも感じない人よりも、何故か仲良くなったりするんだよね。

シンプルな猫の線画は、作者、西加奈子によるものです。
2話目を読んで、以前読んだことがあることに気づきました。
たぶん図書館で借りたんでしょう。それでも、じゅうぶん楽しめました。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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