はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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「美味い」って言っちゃダメ?

「美味い!」と、夫。「うん、美味いね!」と、わたし。
得意げな顔をする、上の娘。お好み焼きである。『焼く人』は、上の娘に任せ、ビールやワインを飲みつつ、わたし達は『食べる人』に徹した。

不満げな顔をしたのは、帰省中の末娘。別に、お好み焼きを『焼く人』になりたい訳でもなく、美味しくないという訳でもない。
「全く、いつから我が家では『美味い』って言い方が、許されるようになったの?」と、末娘。
どうやらわたしは、彼女が幼い頃、躾の一環として言い聞かせていたらしい。
「美味い、じゃなくて、美味しい、って言おうね」
末娘は、いまだにその言いつけを守っているのだ。ここまで来ると、守るというより違和感から「美味い」と言えなくなってしまったという感じだ。それに対する恨み言でなのある。そう言い聞かせた母が、目の前で「美味い!」と言っているのだから、文句の一つも言いたくなるだろう。彼女の気持ちは、判る。判るが、今頃言われても、わたしとて、どうすることも出来ない。

たぶん、息子にも上の娘にも同じように言ったに違いない。ただ息子は男の子であるから、言葉使いについて、わたしもあまり頓着しなかったのかもしれない。男女で差をつけて育てた覚えはないが、自然とそうなってしまうことだってある。そして上の娘は、馬の耳に念仏的な部分があり、それをこちらも承知していて、これまたあまり頓着しなかったのだろう。
素直に受け取った末娘だけが『美味い』という言葉を使えない状況に、陥ってしまった。申し訳ないような気持になる。

それでも「美味しい」と言う彼女は自然だし、綺麗な言葉が好きで、選んで使っているように感じる。ではそれは、わたしの功績か? 否。
彼女が小学校卒業時に選んだ好きな四字熟語は『花鳥風月』自然の美しい景色などを表現する美しい言葉だった。彼女自身が、もともと持ち合わせていた日本語の美しさを好む感覚や、強いこだわりから、じつは、知らず知らず言葉を選んでいるだけなんじゃないかなと、母はにらんでいる。

豚ばら肉を、びっしり並べて。上手くひっくり返せるかな?

ちょっとズレたのは、ご愛嬌。カリカリに焼けました。

鰹節が、ゆらゆら揺れるのを見るのが好きです。食欲そそられます。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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