はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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誰かの希望になるって?

三浦しをんの『まほろ駅前多田便利軒』(文春文庫)を読んだ。三浦しをんは、本屋大賞を取った『舟を編む』(光文社)がとてもおもしろく『小暮壮物語』(祥伝社)でハマった。短編集『きみはポラリス』(新潮社)を合わせると4冊目。ちなみに直木賞受賞作だ。
彼女の小説のおもしろさは、何と言っても人間の滑稽さを描いたところにある。『まほろ……』では、主人公多田がひとり営む便利屋に、高校時代のクラスメイトの行天(ぎょうてん)が突然転がり込んで、便利屋業を手伝うかと思えば煙草をふかし酒ばかり飲んでいる。行天に小学生の女の子から預かったチワワの飼い主を探せと言うと駅前ロータリーでプラカードを持って立ち、いたずら電話が殺到。多田はあきれ果てる。その上、見に行くと行天がマフラー代わりに巻き付けていたのは多田のジャージだった。全然ストーリーとは関係ないが、その辺りのキャラ描写にもう爆笑だ。

そんな行天のセリフ「誰かに必要とされるってことは、誰かの希望になるってことだ」帯にもなっていたその言葉が、まさか行天のセリフだとは思わなかった。「希望か」読み終えて、本をゆっくりと閉じビールを開けた。

多田も行天もバツイチで家族がいない。そしてその離婚絡みで職を失っている。「希望か」もう一回言ってみる。
わたしには家族も仕事もある。わたしもまあ、そういう意味では誰かの希望ってことになるのかな。いや、そうじゃない。家族がいない多田と行天も、そしてわたしも、誰もが誰かの希望になるために生きてるんだよ。
玄関に飾ってある置物「沈思」 じっと見ていると落ち着く

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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