はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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小説ホリック

時に、パニックになる。一瞬、どうしようもなく何かが欠落しているのを感じ、何処に立っているのか判らなくなる。春が訪れ、向かいの林に越してきたキジが、日々ケンケンとうるさく鳴いているからではない。
原因は「読みたい小説が、手元にない」ただそれだけのこと、である。
だが長く生きていれば、誰しも「ただそれだけのこと」に、ひどく惑わされた経験を持っているはずだ。大切な「ただそれだけのこと」を、ひとりひとり抱えて生きているのだ。多分。

息子や末娘などは、わたしより重症である。出かける時には、必ず文庫本を持参。それも、途中で読み終えてしまった時の恐怖に備え、2冊は持っている。息子は大抵、ポケットの大きな上着やパンツに、文庫本を忍ばせている。例えたった5分の待ち時間でさえ、本がないという事態に陥らないよう、常に油断を怠らず、最善を尽くしている。
末娘は、ただ帰省するだけなのに7冊もの本を鞄に入れていた。その癖、わたしの本棚から「村上さん、借りていい?」と村上春樹を持ち出しては、ごろごろと寝っころがり「帰るまでに、読み終わらなくちゃ」と、夜中まで読み「『1Q84』の2巻は、洗濯物と一緒に送ってね」と、タイムスケジュールまで組んでいた。わたしも含め、小説ホリックなのである。

わたしには、彼らほど脇目も振らず数多くの本を読んだりは、出来ない。ただ、読みたい小説が手元に「ない」のと「ある」のとでは、全く違う。
心を平穏に保つためには、図書館の存在は、大きい。自ら厳選した、まだページを開いていない小説が、手元に何冊かある。その幸せ。
この幸せ、本を読む楽しさを体験していない子ども達に、伝えられたらなぁと思う。まずは、読書=勉強=やりたくないけど嫌々やってる、という方程式を崩すことが早道だと思うのだが、どうだろうか。

お隣は韮崎市の図書館。ガラス張りで明るく解放感があります。
もともとは『イトーヨーカ堂』だった建物を再利用し3年前にオープンした
市の施設の2階が図書館や閲覧室、会議室になっています。

小説のコーナー。通路が広く、ゆったりスペース。
伊坂幸太郎の小説も、ほとんど揃っています ♪

パソコンを使えたり、海外の本を置くのも、今ではごく普通なのかな。
自動読み取りの貸出機を始めて見た時には、感動しました!
都心と違い、平日あまり人がいないのが、もったいない感じです。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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