はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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一番に優先しているものは、何ですか?

庭の水仙が花を咲かせた。可愛い。多年草は、何もせずともこうして季節が来れば花を咲かせ、春が来たよと教えてくれる。何年か前に植えたのはわたしだが、わたしがいてもいなくても来年も咲くだろう。

山本文緒の短編集に『ファースト・プライオリティー』(角川文庫)がある。
タイトルを日本語にすると『第一優先』 
趣向を凝らしていて、31歳の女性が主人公またはキーになる形でどの話にも登場し、それが31話収められている。それぞれの人生のなかで第一優先するものがテーマだ。他人から見ればその固執する姿は、不思議だったり笑えたり切なくもあったりして、人が生きることの滑稽さが見え隠れし、味わいのある短編集になっている。31歳にこだわったのは、それくらい生きていれば何かしら自分なりに優先するものが見えてくる年齢だということだろうか。
そのなかに『庭』という話がある。ガーデニングが趣味の母親が冬に亡くなった。四十九日も過ぎて落ち着いた頃、春が来た。庭にはこれでもかっていうほど多種多様な花々が咲き乱れ、31歳の主人公は父親と共に呆然と眺めるばかりだ。そんな時、亡くなる前に母親が申し込んだガーデニング講座イギリスツアーの封書が届く。外国嫌いの父親が、気まぐれに俺が行くと言い出したが。

その他『ジンクス』にこだわりすぎる女性の話、ニュースを見て『当事者』と同じ気持ちになってしまう女性の話、『カラオケ』好きと、嫌いなふたりの話、誰かとくっついていないといられない『うさぎ男』、『銭湯』に通い始めて働く気持ちを無くしてしまった女性の話、などなど何度読んでも面白い。
この本を開く度に、自分の『ファースト・プライオリティー』は何だろうかと考える。ビール以外のもので、これと言えるもの、あるかなぁ。
あなたの『ファースト・プライオリティー』は何ですか?

花の重みに耐えかねてすぐにうつむいてしまう水仙ですが、
咲き始めの今、太陽に顔を向けようと必死に上を向いているように見えます。

春蘭(しゅんらん)も咲きました。控えめで透明感のある野山に咲く蘭です。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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