はりねずみが眠るとき

昼寝をしながら本を読み、ビールを空けて料理する日々
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『我が家の問題』

ほろりと、来た。6編収められている短編、すべてにだ。
「奥田英朗、なのに?」という独り言は、わたしの偏見である。
奥田英朗の小説のなかでも、『マドンナ』や『ガール』に分類されるハートウォーミング要素たっぷり。描いているのは、家族。『我が家の問題』(集英社文庫)を、読んだ。

全編に通じるのは、家族を心配する様子が描かれていることだ。
『甘い生活?』では、新婚の妻に、価値観の違いを伝えられずにいる夫の。
『ハズバンド』では、どうやら夫は、仕事ができないらしいと気づいた妻の。
『絵里のエイプリル』では、両親の離婚問題に直面した高校生の娘の。
『夫とUFO』では、夫の異変に戸惑う妻の。
『里帰り』は、夫婦が互いの実家への初めての里帰りに互いを気遣う様子が。
『妻とマラソン』では、マラソンに没頭する妻を心配する夫の。

家族のことは、そりゃあ心配だ。かくいうわたしも、娘達からは「全くもう! 心配性なんだから」と、半ば呆れて言われることも多い。自分でも滑稽だと思うくらい、些細なことで心配してしまう。でも心配なのだ。心配したっていいじゃないか。心配して何が悪い。思う存分心配してやる。と開き直る。
読み終えて、ホッとした。なぁんだ、わたしだけじゃないじゃん、と。誰だって家族のことは、心配なのだ。滑稽なほど心配するのが、当然なのだ。

そして思った。奥田英朗って、すごいなぁと。こんなにもユーモラスに、こんなにも温かく家族を描けるなんて。

末娘と、飲みに行きました。「最近、本読んでないんだよねぇ」と、彼女。
心配して聞くと「2日に1冊くらいしか」との返事。
なぁんだ。わたしより、ずいぶん読んでるじゃん。
そんな小さな変化から心配が生まれるのが、家族なのかも。

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HN:
水月さえ
性別:
女性
自己紹介:
本を読むのが好き。昼寝が好き。ドライブが好き。陶器屋や雑貨屋巡りが好き。アジアン雑貨ならなお好き。ビールはカールスバーグの生がいちばん好き。そして、スペインを旅して以来、スペイン大好き。何をするにも、のんびりゆっくりが、好き。
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